暑く、湿度が高い日本の夏。悩ましいのが、この時期のお弁当作りです。ほかの季節なら問題なく入れられるおかずが、夏場は食中毒の原因になる場合も――。そこで今回は、安心、安全に食べられるお弁当作りのコツを、長年2人のお子さんのお弁当を作ってきた管理栄養士の今泉マユ子さんにうかがいました。

夏の食中毒予防の三原則。
細菌を「つけない・増やさない・やっつける」

夏のお弁当で心配なのは、なんといっても「細菌性食中毒」です。サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌など、原因となる菌の種類はさまざまですが、どれも対策をとっておけば防げるものばかり。「やっていいこと、悪いこと」「おすすめの食材、おすすめできない食材」を知っておくだけでも、安全度はかなりアップすると思います。

まず食中毒の予防に欠かせないのが、細菌を「つけない・増やさない・やっつける」という三原則。ざっくり言いますと、「つけない」は、清潔・洗浄。「増やさない」は、迅速・冷却。「やっつける」は、加熱・殺菌になります。

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皆さん、調理前には手をきれいに洗っていらっしゃると思います。けれどもその手で顔や髪、スマホやタブレットなどを触っていませんか? せっかくきれいにしても、再び手に雑菌をつけてしまっては台無しです。洗った後はできるだけ物に触れないよう気をつけて。盛り付けの際も素手ではなく、さいばしを使いましょう。おにぎりを握る際は、ラップや使い捨て手袋を使うといいですよ。

お弁当箱や包丁、まな板なども清潔に。お弁当箱を洗ったらサッとふくだけで済まさず、熱湯消毒をしたのち、しっかり乾かしてから使ってください。特にお弁当箱の汚れは四隅とパッキンにたまりやすいので、使うたびにパッキンまで外してていねいに洗いましょう。お箸のケースも同様です。

最近はSDGsの観点から、何度でも使えるシリコンカップにおかずを入れて、お弁当に詰める人が増えています。けれどシリコンカップは、形状によっては汚れが残りやすいといったマイナス点も。夏場には使い捨ての紙製、もしくはアルミホイルのカップを使うことをおすすめします。

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おかずを詰めるときは、冷ましてからお弁当箱に入れてフタをするのがお弁当作りの鉄則です。ご飯も同様に、皿などに広げて冷ましてから詰める方が良いです。その理由は、蒸れて水蒸気が発生すると、水滴になってご飯やおかずの上に落ち、細菌が繁殖しやすい状態になるから。フタ裏に水滴がつかなくなるまで冷ましてから、フタを閉めましょう。持ち運ぶ際には、保冷剤とともに保冷バッグに入れると安心です。

この保冷剤も、1日使ったら冷凍庫に入れて凍らせて再度使用、という人が多いと思います。でも保冷材には食材の汁など、さまざまな汚れがついているもの。再利用する場合は、一度きれいに洗ってから凍らせるようにしてください。