相撲部屋で大麻使用が発覚…そのウラで大麻に起きている「巨大な変化」

日本でも議論が加速している
一般社団法人 大麻博物館 プロフィール

また、オリンピックにおいては、1999年に設立されたWADA(世界アンチ・ドーピング機関)がその規制などを判断する役割を担っている。

WADAの規定では、(1)スポーツ・パフォーマンスの向上およびその可能性、(2)健康に対する実際のリスクまたは潜在的なリスク、(3)スポーツ精神に反する、という3点がドーピングの共通基準となっている。大麻に関してはこれらに該当するか否かが何度も議論となり、陽性基準の緩和や競技停止期間の短縮などの措置が取られている。

 

なお、前回2016年に開催されたリオ五輪では、パラリンピック選手に限定して、医療用途の大麻の使用を認可した前例もある。開催地のブラジルはその使用が違法であったにもかかわらず、事前に申請すれば、ブラジル国内への持ち込みを許可したのだ。ちなみにカフェインは2004年に、アルコールや大麻に含まれる向精神作用がない成分CBDは2018年に、それぞれWADAの禁止リストから外れるまでは規制の対象だった。

現在開催されている東京オリンピックでは大麻の使用は全面的に禁止されているが、開催前には騒動もあった。陸上女子100メートル米国代表のシャカリ・リチャードソン選手が代表選考会の際に行われた薬物検査で大麻の陽性反応が出たため、1カ月間の資格停止処分を受け、東京オリンピックに参加できないことが確定。彼女が金メダル候補と目されていたこともあって大きな議論となり、現役IOC委員であり、WADAの初代会長も務めたディック・パウンド氏はIOCが近い将来、大麻に関する規則を変更する可能性があることを示唆。さらに、バイデン米大統領が「ルールはルール」だが同時に「大麻が禁止薬物のままでよいかどうかはまた別の問題」と言及するにまで至った。

大麻に関する評価が世界中で急激に変化している現在、その向き合い方や温度差は国や地域によって、大きく異なる。そのため、オリンピックをはじめとした国際的なイベントでは特に、同じような問題が起きる可能性は非常に高いのではないだろうか。はたして、日本の行政はこの広がる一方のギャップにどう対応するつもりなのか、今後の動きを注視したい。

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