韓国発の「縦読み漫画」が業界を席捲…「日本式漫画が駆逐される」は本当か?

「ピッコマ」カカオジャパンに直撃取材
飯田 一史 プロフィール

SMARTOONでも異世界ファンタジーが人気に

――SMARTOONジャンルで特に人気の高い作品やジャンルについて教えてください。

杉山 男性読者には『俺だけレベルアップな件』のようにバトル要素があって、主人公が強く成長していくストーリーが人気です。女性読者が多いのは、『捨てられた皇妃』のように架空の西洋風貴族社会を舞台にしたロマンスファンタジーですね。どちらもキャラクターの立った主人公の目線で話が進み、ひとつの目的に向かって最初から最後まで一貫してストーリー展開がされていくものが人気です。

2019年頃には『復讐の毒鼓』や『恋するアプリ』のような現代ものが流行っていましたが、最近はファンタジーを舞台に時間を巻き戻って人生をやり直すものや、異世界転生ものが人気があります。

――ピッコマではKADOKAWAや双葉社などが提供する「なろう系」の異世界ものの小説やそのコミカライズも非常に人気ですよね。

杉山 そうですね。これはある作家さんから聞いた話ですが、日本の作品では対立やシリアスな話よりも日常系の話が多く、悪役令嬢ものでも「こうなったんだから割り切って新しい人生を楽しみましょう」という、どちらかと言えばライトな方向に進むのに対して、SMARTOONでは対立構造が明確で「こうしないと死ぬ」というシリアスな状況を打開するために主人公が自ら切り開いて逆転していくというものが多い、と。異世界ファンタジーが好きな人のなかでもスローライフが特に好みな人もいればバトルや後宮ものが好きな人もいて、日本の作品ではやや手薄だったサブジャンルの需要をSMARTOONが満たしたのかなと見ています。

 

――『梨泰院クラス』(ピッコマで配信している原作SMARTOONのタイトルは『六本木クラス』)以降で映像化の影響で日本でも特に読まれた作品はありますか。

杉山 『梨泰院クラス』ほどではありませんが、Netflixで配信している『キム秘書はいったい、なぜ?』(ピッコマでの配信タイトルは『もう秘書はやめます』)や『スペース・スウィーパーズ』は映像から入ってきたのかなというユーザーが目立ちます。現代ドラマはもともとSMARTOONでは王道ジャンルではありませんが、映像化されると女性読者が特に増える傾向があります。

グローバルに見ると「ドラマからSMARTOONへの流入」よりも、「SMARTOON発で全世界配信でドラマ化」されることによるインパクトの方が大きく、近年特にSMARTOON原作の映像化の動きが活発化してきました。今日お話したようにファンタジー系のSMARTOONは人気が高いですが、映像化には現代ドラマよりも予算がかかるのがネックで、成功事例を作れるかかが課題となっています。

――『Sweet Home』や『キングダム』のようにWEBTOON発のゾンビもののドラマはヒットが出ていますから、ファンタジーも時間の問題でしょうね。

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