韓国発の「縦読み漫画」が業界を席捲…「日本式漫画が駆逐される」は本当か?

「ピッコマ」カカオジャパンに直撃取材
飯田 一史 プロフィール

「縦スクロールか、日本式か」で捉えるのは間違い

――増えたといってもSMARTOON読者になっただけではと思う人もいそうですが、その点はいかがですか。

杉山 伸び率で見るとSMARTOONがもっとも大きいのはたしかなのですが、それは元の数字が小さいからで、サービス全体で増えています。

たとえばピッコマの読者を対象に弊社が行った調査では「SMARTOONしか読まない、出版社マンガしか読まない、両方読む」の3択で尋ねると出版マンガのみ読む人は全体の約10%、SMARTOONだけも同じく10%前後、両方読む人が約80%でした。ピッコマの月間のユニーク閲覧者数は2021年5月時点で約750万人ですが、そのうち8割が「両方読む」状態にあります。

2010年代後半までは「電子が伸びるとその分、紙がなくなる」という声が出版社さんからよく出ていて「紙か、電子か」の2択で考える方が少なくなかったのですが、最近は「縦スクロールのマンガが売れるとその分、出版マンガが売れなくなる」という危惧がしばしば聞かれます。

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しかしこれはカカオジャパンの持論なのですが、電子が普及することによって、紙も含めてマンガや本を読む人は総体として広がります。たしかにマンガアプリが登場して以降、一時的に紙の売上は落ち、電子の売上は伸びてきましたが、2020年には『鬼滅の刃』のようなヒット作が出たことで紙の市場も回復し、トータルで見ると明確に成長基調にあります。

 

SMARTOONと出版マンガの関係も同様で、SMARTOONを入り口に全体のパイが増えれば、その分、出版マンガのお客さんも増えます。「どちらかを選ぶ」とか「どちらが勝つのか」という2択の発想にならないように、私たちは「電子が伸びれば紙も伸びる」「SMARTOONが伸びれば出版マンガも伸びる」を証明し続けていきたいと思っています。

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