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「やってる感」の時代に知っておきたい、物静かで控えめな人が輝く時

ローザ・パークスあるいは不屈の精神の物語
「扱いにくい、地味な奴」と見られがちな内向型の人たち。だから無理して外向型のフリをする。けれど、もうそんなことはやめよう。内向型と外向型の組み合わせが偉業を達成することが多いという事実を知れば、内向型人間のあなたの役割はとても大きいと認識できるだろう。スーザン・ケイン『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』ローザ・パークスの物語をご紹介する。

ほとんどの施設は集団活動を好む人向けにできている

現代社会では、もっとも重要な施設の多くは、集団での活動と高レベルの刺激を好む人々向けに設計されている。たとえば学校の机はグループ学習がしやすいように小集団に分けて並べられることが多くなっており、これは調査によれば、教師の大半が外向的な生徒こそ理想的だと考えているからだ。

大人になればなったで、私たちの多くはチームで動くことを推奨する組織に入り、壁のないオープンなオフィスで、「対人スキル」をなによりも重要視する上司のもとで働く。キャリアを高めるためには、臆面もなく自分を売り込まなければならない。研究のために資金提供を受ける科学者たちは、自信たっぷりというか、おそらくは自信過剰な個性の持ち主であることが多い。現代アートの美術館に作品を飾られるアーティストたちは、画廊のオープニングに奇抜な姿で現れる。作家はかつて人間嫌いな種族として認められていたが、現在ではトークショーに出演するのが当然とみなされている。

 

あなたが内向型なら、物静かな性質に対する偏見は心を大きく傷つけることがあるのをご存知だろう。子供の頃、あなたが内気なのを親が残念がっているのを耳にしたことがあるかもしれない(私がインタビューしたある男性は、「どうしてケネディ家の子供たちみたいになれないの?」とケネディ信奉者の親にくりかえし言われたそうだ)。あるいは、学校で「殻に閉じこもっていないで、もっと元気に」とハッパをかけられたかもしれない。

このいやな表現は、自然界には殻をかぶったままどこへでも移動する動物もいるのだから、人間だって同じなのだという事実を認識できていない。「おまえは怠け者だとか、頭が悪いとか、グズだとか、子供の頃に言われたことが今でもまだ耳の奥に残っています。自分はたんに内向的なだけなのだと理解する年齢になる以前に、自分は本質的にどこかが間違っているのだという考えがすっかり染みついていました。今でもそんな疑いがほんの少しでも残っていたら、きれいさっぱり取り除きたいです」と、〈内向型人間の避難所〉というメーリングリストのメンバーは書いている。

大人になっても、夕食の誘いを断って好きな本を読みたいと思うときに、あなたはかすかな罪の意識を感じるかもしれない。あるいは、レストランでひとりで食事するのを好み、周囲の人々からかわいそうにという目つきで見られても意に介さないかもしれない。あるいはまた、物静かで知的な人に対してよく使われる、「あれこれ考えすぎる」という言葉を浴びせられることがあるかもしれない。言うまでもなく、そういうタイプの人間を表現するには、「思索家」という言葉がふさわしい。

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