『生徒が人生をやり直せる学校』24時間テレビドラマスペシャル【公式】Twitterアカウントより

ドラマ化で注目される「再チャレンジ高校」が、これから一層必要になる理由

『生徒が人生をやり直せる学校』原作者が語る
現代新書『県立! 再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校』が、8月21日放映の24時間テレビドラマスペシャル『生徒が人生をやり直せる学校』としてドラマ化されます。高校の教師たちが「小・中学校ではうまくいかなかった子どもたち」に居場所と希望を与える学校つくりをするために奮闘する、実話をもとにした物語です。
そのような高校が、これからの日本でますます必要になっていく理由とは何なのでしょうか。著者の黒川祥子氏による寄稿です。
 

貧困に苦しむ日本の子どもたち

日本では、7人に1人の子どもが相対的貧困状態にあると言われている。2013年、国もようやく「子どもの貧困対策推進に関する法律」を成立させたが、その効果はいまだ、どこにも見えていないと言っていい状態だ。

だがもはや、これは決して先送りにしていい問題ではないのだ。日本の子どもの貧困は国際的に見ても、とんでもなく悲惨なことになっている。

先進35ヵ国が参加する「OECD」(経済協力開発機構)の「Family Database」から、2012年の調査を見てみよう。

まず「子どもとして生活するための必需品を2つ以上欠いている子どもの割合」について見ていくと、日本はOECD諸国の平均より、かなり悪い状況にある。日本は30ヵ国中20位に位置し、上位には北欧諸国が連なり、イタリアやギリシャは日本より下で、圧倒的な差で最下位がルーマニアとなっている。

ここで言う「必需品」とは、「洗濯機」、「カラーテレビ」、「電話」、「車もしくは車を買えるだけの財政的な基盤」、「暖房設備」、「水道光熱費の支払いが滞っていない」、「家賃もしくは住宅ローンの支払いが滞っていない」、「2日に1日は肉か魚を食べている」、「その他必要な支払いに滞りがない」、という9つを指す。

これは子どもが実際、物質的にどれだけの剥奪状態にあるかがわかる調査だという。それがOECD先進諸国の中で、平均以下だということは、日本の多くの子どもの生活状況はまさに、貧困状態にあるのだとはっきりと示している。

もう一つ、「基礎的な7つの教育資源全てを持っている子どもの割合」という調査がある。

7つの教育資源とは、1勉強机、2勉強に集中できる静かな環境、3宿題をするためのパソコン、4勉強のためのソフトウエア、5ネット接続、6辞書、7教科書 となっている。

この調査で日本は、OECD34ヵ国の中で最下位なのだ。何と、チリ、トルコ、メキシコ以下。上位を北欧諸国が占め、韓国は平均以下とはいえ、18位に位置している。OECD諸国での平均は44.6%もあるのに対し、最下位である日本は12.2%。日本では12%の子どもしか、教育を受けるために必要な7つの教育資源を持っていないわけだ。これが、日本の子どもの紛れもない現実なのだ。

先進国と言いながら、物質的環境も貧弱で、十分な教育投資を受けていない子どもが、いかに多いのか、まさに一目瞭然ではないか。

もはや「7人に1人」とお題目のように、唱えている場合ではない。日本の子どもの貧困状況は、ここまで危機的で、深刻なものになっている。もはや、先進国と名乗るのが恥ずかしいほどに。

だからこそ、今、必要とされるのは、苦しい状況にある子どもを支え、きちんと社会へ着地させることができる学校なのではないだろうか

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/