BTSが這い上がれたのはなぜか

当時のBTSデビュー発表に関してのニュースやデビュー日のニュースは、大手事務所に比べれば小さいものではあったのは事実だ。曲をよく出していたこともあり歌番組にも出ていた方だと思うが、メンバーが時折話すようにパフォーマンス時間を削られたことや、他のアーティストの穴埋めをすることなど以外にも、雑な扱いを受けたことは一度ではなかっただろう。しかし、そんな決して良いとは言えない環境から、BTSは這い上がってきた。

K-POPの新人はその多くが「完璧」「新人とは思えない」と表現されるパフォーマンス力を武器にデビューする。それでも生き残れない場合が大半の中、BTSはなぜアイドルの第一関門のデビュー後2年を乗り越え、大賞を受賞し、今の地位まで上り詰めることができたのか。それはメンバーたち、そして彼らを支えるスタッフたちが、どんな時も諦めず腐らず曲を作り続け、ステージとファンに向き合い続け、その末に生まれた個性的でハイクオリティなパフォーマンスをプライドに変え、一歩ずつ地道に歩んだからではないだろうか。

メンバーのVは今年受けたインタビューで、
「5年後、10年後はどんな姿になっていると思うか、という質問をよくいただきます。今まで一段ずつ階段を上って成長してきたので、今は地面に降りることはまったく怖くありません。いつも変わらず自分に挑戦する姿を見せて、ARMYと一緒に時間を過ごせたら、それだけで十分です」
と語っているが、この“地道に一歩ずつ”というのは、エンタメ界では実はとても難しい。例えばコンサートの会場選びの際、空席が多く予想されたとしても大きな会場でやったという事実を残したい気持ちが強く、「とにかく大きな会場を」という戦略をとる事務所は少なくない。

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強烈な個性とストーリー持ったパフォーマンス

私が、BTSのデビュー曲「No More Dream」のパフォーマンスを初めて見たのは、デビュー日に放送された「M COUNTDOWN」だ。この日は「We are Bulletproof PT2」と「No More Dream」の2曲のステージがあったのだが、その強烈な個性を放つビジュアルとラップスキルより印象に残ったのは、「We are Bulletproof PT2」でのJ-HOPEとJIMINのアクロバットと、「No More Dream」でJUNG KOOKに抱えられたJIMINがメンバーの背中を蹴っていくパフォーマンスで、会社で見ていた同僚たちと驚いたのを覚えている。

デビュー日に放送された「M COUNTDOWN」で披露した「We are Bulletproof PT2」のステージ

その後もしばらく毎週のようにBTSは「M COUNTDOWN」に出演していたが、毎回、関節が外れてしまうのではないかと心配になる程全力でパフォーマンスをする、アイドルっぽくないゴリゴリのビジュアルと、変わったパフォーマンスをする新人、という印象だった。

そして、その後、さらに彼らのパフォーマンスの力を思い知ることとなる。