「BTS人気を支えたのはSNS」の誤解

BTSがデビューした2013年のK-POP界は、日本でも大人気だったBIGBANGのG-DRAGONや、2012年にデビューしたEXOが爆発的な人気を誇っていた。他にも“コンセプトドル”と呼ばれる作り込んだ世界観とビジュアルでパフォーマンスをするグループや、カル群舞を武器にしたグループなど様々なタイプのアイドルがいた。ただでさえ毎月のように新人がデビューする新陳代謝の盛んなK-POPにおいて、音楽番組での1位を取ることは今と同様、簡単なことではなかった。

2015年5月、初めて音楽番組で1位を獲ったときのBTS

BTSは「I NEED U」で初めての1位を獲得するまでに、デビューから1年11ヶ月かかっている。これはK-POPでは長くかかった方なのだが、通常曲を出すにはかなりの資金が必要になるため、中小規模の事務所の場合は特に1位獲得の夢を目指す途中で資金が尽きてしまう場合が多い。

しかしBig Hit(現HYBE)は、「I NEED U」が収録されたアルバム「花様年華 pt.1」を出すまでの1年11ヶ月に間に、シングルアルバム1枚、ミニアルバム2枚、フルアルバム1枚、リパッケージアルバム1枚、デジタルシングル1枚を発売。公開されたMVは12本、楽曲数でいうと40曲以上を発表している。当時のBig Hitの経営状況を考えると、驚きの制作数だ。さらに、当時から音楽ファイル共有サイトSoundCloudではメンバーの自作曲、カバー曲、RMのミックステープまで多くの楽曲を無料公開している(今でもBTSのメンバーは自作曲やカバー曲をSoundCloudにアップしている)。

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ここでひとつ、BTSのデビュー当初の状況について時々見かける、誇張されすぎた情報を正しておきたい。“Big Hitは小さな事務所だったので、BTSはテレビなどのマスメディアに出ることができなかった(排除されていた)”“マスメディアに出られないので、その代わりにSNSを利用した” と極端に語られているのを目にすることがある。