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一度の不祥事で、人生を「全否定」される…東京五輪で見えてきた「末恐ろしい風潮」

キャンセル・カルチャーをご存じか?
トイアンナ プロフィール

過去の「罪」でキャリアを全否定される

他方、冒頭で書いたとおり、人生で「いじめをしたことがない・傍観したことがない」人はほとんどいないはずだ。そんなあなたは、教育事業に就く資格はないのだろうか。もし教師になったら、過去が明らかになった時点で罷免されるべきだろうか。そうなると、教師になっていい人間はどれほど残っているだろうか。

……という風に、過去の経歴をもとに「二度と復帰を許されないほど、バッシングされる」風潮のことをキャンセル・カルチャーという。キャンセル・カルチャーは、SNSの普及とともに広まったもので、過去の発言や行為を取り上げて、キャリアを全否定するものだ。英語で「お前はもう終わりだ(You are cancelled.)」と伝える行為から、その名がついている。

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キャンセル・カルチャーの特徴は、1つの問題行動でキャリアが全否定されることだ。この被害者には、テラスハウスに出演したことでSNSの誹謗中傷に苦しめられた故・木村花さんが挙げられる。彼女は番組内で、自分のウェアを台無しにされ、相手を強く罵った。しかし、そのことで人格否定に及ぶほどのバッシングを大量に受け、最後は命を絶っている。

 

キャンセル・カルチャーの問題点

キャンセル・カルチャーが過剰に蔓延すると、誰もが過去の「罪」を認めなくてはならない。完全に清廉潔白な人しか、ふさわしい地位にはつけなくなる。そして、そんな「まっさら」な経歴の人は存在しないから、誰もが名誉職から逃げることになる。

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