「女の体に生まれたせいで…」トランスジェンダーでセクハラ被害者の著者が語った“想い”と“苦しみ”

阿部 裕華 プロフィール

――漫画家を志したのはいつ頃だったのでしょうか。

ぺス山 めちゃくちゃ早かったですね。小さいころから漫画家になろうと思ってました。志した目的もハッキリしていて。自分の抱える不満を絵や物語で発散したい、そればかり考えていたんですよ。アニメでも映画でも漫画でも何でも良い、とにかく絵や物語で発散するにはどんな選択肢があるのだろう? と。それこそ漫画を読む前から思っていました。

そんな中で初めて漫画を読んだ時に、これが一番、自分一人だけでも目的を叶えられそうだと感じて、漫画家になろうって思いました。

だから、「漫画家になりたい!」というよりは、「どうせ漫画を描くことになるんだろうな。売れる売れないに関係なくそれくらいしか道はないだろう」と思っていた感じですね(笑)。

 

――ぺス山さんは子どもの頃からヘヴィメタルやプロレスもお好きでしたよね。不満を発散するとなると、それらの道も選択肢に入りそうな気がするのですが。

ぺス山 たしかに、バンドマンかプロレスラーになりたかったです。小4くらいの時にギターを始めてギターでもボーカルでも何でもいいからとにかくデスメタルがやりたかったし、プロレスもWWE(アメリカ合衆国のプロレス団体)がすごく好きだった。

だけど、いつも頭に浮かぶなりたいバンドマンやプロレスラーの姿はすべて男性だったんですよ。私は、男性のバンドマン、男性のプロレスラーになりたかった。でも、自分は性別が違う。思い描く姿にはなれないんじゃないかと。でも漫画家なら、作者の性別は関係なく自己表現ができる。それがかなり大きかったと思います。

著者のペス山ポピーさん

――「漫画が好きだから漫画家になろう」という感覚とは、また少し違う感じがします。

ぺス山 違うと思いますね。好きというより「密接」な感じがあります。「漫画を描くこと」にフリガナをつけるとしたら、「私の話を聞いてくれ」なんですよ。

だから、漫画を読んで「こういう漫画を描きたい!」と思ったこともないし、「私のつくり出す空想の物語や世界をたくさんの人に楽しんでほしい!」なんて毛ほども思っていない(笑)。こんな不遜な感じなので、お金をもらえてラッキーと思っています。

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