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# エンタメ

タトゥーを入れたら「アイドル」じゃない?「非アイドル」との線引きを考える

「アイドル」とは何なのか?

多様化が凄まじい最近のアイドル

以前、アイドルについて文章を書いた際、もっとも頭を悩ませたのは「アイドルとは何か」という問題でした(難波功士「アイドルを声援することの系譜学:親衛隊からヲタ芸まで」丹羽典生編『応援の人類学』青弓社、2020年)。

1961年生まれの私にとって、1970~80年代のアイドルが原像としてあるので、アイドルといえば歌謡曲をふり付きで歌う10代の男女(基本的にソロ)なわけですが、平成生まれにとってアイドルとはグループで歌い踊るものだったたりします。その人の年代や性別によって、思い描く「アイドル」像はじつにさまざまです。

2011年のAKB48[Photo by gettyimages]
 

K-POPアイドルの参入もあって、「アイドル戦国時代」といわれた2010年代には、アイドルのビッグバンが生じました。地下アイドルやご当地アイドルなどといった言葉が一般化し、地上波テレビ放送やメジャーレーベル、大手芸能・音楽事務所などを前提としないアイドルたちが次々と登場しました。

一大決心をして芸能界に入る、ブラウン管の向こう側に行くというよりは、部活のようなノリで、ネットやライブを中心にアイドル活動を始めるケースも増えました。

アイドルたちが歌う楽曲も、ヘヴィメタルからパンクまで、今では何でもアリです。中にはラップのスキルを磨いたり、自身でDTM(パソコンを利用した楽曲制作)までこなすアイドルもいて、アイドルとアーティストの境目は曖昧になりました。

ヴァーチャル・アイドルまで視野に入れれば、人間である必要すらありません。コロナ禍以降、活動停止や解散に追い込まれたグループもありますが、依然としてアイドルの裾野は広がり続けています。

またファンの側をみても、同性のアイドルを応援するのも当たり前のこととなりました。ファンの年齢層もずいぶんと広がりました。スーパー銭湯アイドルこと「純烈」まで含めて考えると、ティーンをティーンが応援するという図式はとっくに崩壊したことがわかります。この数十年で、アイドルそのものも、アイドルをめぐる現象も、途方もなく多様化・流動化したわけです。

しかし、そんな現在にあっても「アイドル/非アイドル」の境界線を感じることが、最近ありました。少なくともメジャーなアイドルシーンにおいては、まだ「ある線引き」があるようです。

「タトゥー」からアイドルを分析する

前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。その境界線とは、タトゥー(をめぐる社会的な通念)です。

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