「死刑賛成派」も知っておくべき「日本の死刑制度」驚きの“ほころび”

アメリカとの比較で見えること
丸山 泰弘 プロフィール

複数の調査をしてみると…

この点について興味深い研究をしているのが佐藤舞さん(モナシュ大学(オーストラリア):准教授)である。佐藤さんの “The Death Penalty in Japan: Will the Public Tolerate Abolition”という著書で行われた調査によれば、

①日本国民に公平な選択肢を与えたうえで答えてもらう調査、
②片方のグループに死刑制度に関連する情報が与えられ、もう片方には何も情報を与えないで公平な選択肢を与えて答えてもらう調査、
③日本の死刑制度について集められた人たちで討議と意見交換が行われ、情報提供と意見交換がなされる前と後にアンケートを実施し、その後にインタビューを受けるという調査

が行われた。

①については、(死刑制度は)「絶対にあった方が良い」(44%)、(死刑制度は)「あった方が良い」(35%)、「どちらとも言えない」(16%)、「廃止した方が良い」(3%)、「絶対に廃止した方が良い」(1%)であったということであった。絶対的廃止論者と絶対的存置論者を除く人を「どっちでもない人」と読むことができれば55%が中間に位置することとなる。

【佐藤舞さんによる調査①】

(参考資料)佐藤舞「日本の世論は死刑を支持しているのか」法律時報第87巻2号(2015)69ページより転載。

ただし、佐藤さん自身も指摘しているように、44%は絶対的存置論者であることと、「あった方がいい」という回答者が全員「絶対的存置論者寄り」の意見であるとすれば79%は死刑の存置を支持していることにもなる。そこで、重要になってくるのが②の調査であろう。

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