「死刑賛成派」も知っておくべき「日本の死刑制度」驚きの“ほころび”

アメリカとの比較で見えること
丸山 泰弘 プロフィール

国民は「賛成」なのか?

しかし、こうした現状を目の当たりにすると、いくつかの疑問がわいてくる。「国民世論の多くが賛成」というのは何を根拠に述べられているのであろうか。

内閣府が定期的に行なっている世論調査の「基本的法制度に関する世論調査」の中に「死刑制度に対する意識」というものがある。最近のものとしては、2019年11月に行われた死刑存廃の世論調査(2020年1月発表)があるので、それを以下に示したい。

【2020年の内閣府の世論調査①】

参考資料より転載

ご覧のように、「死刑もやむを得ない」が80%を超えており、「廃止すべきである」とした人が9.0%で、「わからない・一概に言えない」と答えたのが10.2%であった。しかし、これが「公平」なアンケートと言えるであろうか。

「死刑は廃止すべきである」と回答する人は絶対的な死刑廃止論者であることが予想されるのとは対照的に、「死刑もやむを得ない」と回答する人は消極的な死刑賛成論者もこの選択肢を選ぶように質問が設定されている。社会調査をする際のルールとしては、対照的な質問項目を用いることが前提であるが、この調査の選択肢はそうなっていない。これでは、将来的に廃止を検討した方がいいと考える人であっても、この問い方では死刑に「賛成」としてカウントされてしまう。

 

また、内閣府では先の「死刑をやむを得ない」と答えた人に対して、将来も死刑存置かという問も用意している。これを見ると、状況が変われば、将来的には死刑を廃止してもいいと答える人が約40%となることが分かる。もっとも、それでも、将来も死刑を廃止しないと答えるものが過半数を超えていると思われるかもしれない。

【2020年の内閣府の世論調査②】

参考資料より転載

しかしここでさらに問うてみたい。皆さんは死刑についてどれほどの知識を持って、「賛成」か「反対」かを判断されているであろうか。

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