2021.07.27
# トヨタ

トヨタ「五輪CM取りやめ」で明らかになった、広告業界の「大きな変化」

これまでの広告とは、まったく別物に…
難波 功士 プロフィール

差別・偏見や貧困・格差の解消、社会的弱者へのエンパワーメント、地球環境への配慮、働き方改革などなど。公共的な団体のみならず、民間の企業もさまざまな社会的問題に取り組み、その情報を発信するようになりました。

海外と比較すると比較的意識の低かった日本企業も、世界の趨勢に逆らうわけにはいきません。今回の件についても、東京オリンピックを「ソーシャルバッド」と見なす人びとが一定数いる以上、グローバル企業であるトヨタが大会への関わりを限定したのも当然といえます。

またトヨタと同じくワールドワイドオリンピックパートナーであるP&Gも、オリンピックの毎にアスリートの母親を称えるCMや、競技でのパフォーマンスではなく、アスリートのふだんの善行や社会的貢献にスポットをあてたCMを制作しています。

大金を払っているのだから、オリンピックを自社製品のプロモーションの場として利用するのだといったスポンサーシップのあり方が、時代遅れであるだけではなく、場合によっては逆効果になりかねないわけです。

 

アスリートと企業の関係も変わった

最後に「広告主の立ち位置の変化」という観点。

五輪関連のテレビCMは流さないと言いつつ、トヨタが支援するオリンピック出場選手たちの様子は「トヨタイムズ」の枠組みの中で、随時紹介されています。

かつて実業団所属のアスリートは、「走る広告塔」などと呼ばれていました。企業名を背負っている以上、できるだけメディアに露出されるよう成績を上げよ、かつ愛されるキャラクターであれ、といったプレッシャーのもと競技を続けているきらいもありました。もちろん今日でもその傾向はあるのでしょう。

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