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「東京五輪2020」で露呈したこの国の統治の崩壊を振り返る

再生への途は「不正への怒り」から

東京オリンピックの強行でこの国の「統治」は完全に崩壊し、もはや政府や東京都主導の新型コロナ対策は国民から見向きもされなくなった。この惨状を招いた真の「戦犯」とは何なのか? 『主権者のいない国』を著した気鋭の政治学者が、15年間に及んだ東京五輪2020狂騒曲の深層を説く。

菅首相の異様なまでの空虚さ

東京五輪2020。パンデミック下のオリンピックは、予測された通り、感染爆発に見舞われ、7月28日の東京都の新規感染者は3000人を超えた。7月26日の東京北医療センターの検査陽性率は実に35.2%、東京都全体でも7月27日付のデータで16.9 %という数値をマークしている。これらの高い数値は、検査件数が全く足りていないことを示唆しており、実際の感染者ははるかに多いことを意味している。首都圏では医療崩壊が刻々と進んでいると見られる。

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そんな状況下で発せられた為政者たちの言葉は、ある意味で大変印象的だった。小池百合子東京都知事いわく、「特に1人暮らしの方々などは、自宅も、ある種、病床のような形でやっていただくことが、病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる」。

小池の考えでは、独り暮らしのコロナ患者が自宅の寝床で寝転がっていると、「健康が維持」されるのだそうだ。自宅療養者の健康確認の体制を整えているというが、感染者数が未曾有の規模になってきたいま、第3波における首都圏、第4波における阪神圏で起きたことの反復、すなわち自宅での死者多発を現実的と見なければならないだろう。

なお、医療を受けられず自宅で亡くなったコロナ患者は、5月21日時点で全国で119人であるが、厚労省は自宅死亡者の統計を取ろうとしていない。言い換えれば、医療崩壊の実態を調べようとすらしていない。

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