不安感を忘れる集中力と達成感が手芸の魅力

コロナ禍がきっかけで、ン年ぶりにミシンソーイングにハマっている。
はじまりは店頭から市販マスクが消えたこと。「仕方ない、自分でマスクを縫おう」と押し入れの奥深くからミシンを発掘し、罪庫(衝動買いした布などの大量のストックを手芸好きはこう呼ぶ)の中からガーゼを引っ張り出して作ってみると、案外周りから好評で、ガゼン調子に乗った。

去年はマスク作りで久々にミシンを出した人も多かったのでは? photo/iStock

ネットを頼りに、大臣風マスクや呼吸しやすい変形マスクなどを作って手作りマスクが在庫過剰になったところでレジ袋の有料化があり、今度はエコバッグ作りに熱中。レジ袋と同じ形のバッグや底が広くてコンビニ弁当が平らに入るミニバッグ、簡単に畳めるバッグなどを縫って周囲に押し付けたあと、ハタと困った。

うーん、今度は何作ろう?

手芸には幅広く手を出すものの全部初心者レベルで、ミシンも洋服を作る腕はない。でもここでミシンをしまい込んだら、また数年は放置確実だ。そんなとき「マスクきっかけでミシンを買ったんだけど、ほかに作れるものがなくて。せっかくだからもう少しレベルアップしたいんだけど……」と友人Aも言い出した。すると「私は超絶不器用だから、やってみたいけどネットで手作りの作品を見て憧れてるだけ~。私でもできる手芸ってないかなあ」と友人B。

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そこで、手芸材料専門店のオカダヤに聞いてみた。「マスクの次は、何を作ればいいですか?」
実は似たような問い合わせがオカダヤにもたくさんくるのだという。

マスクのような簡単なものでも完成時の「できた!」という達成感や爽快感は、いつもの家事や仕事とは一味違う新鮮な喜びがあるし、ひたすらのミシン作業は、仕事や他のこととは違う集中力を発揮する。あまりに集中するので、その間だけはコロナが始まってから心の一部を占拠し続けている漠然とした不安を忘れていられる。

実際に自分の周囲でもコロナ禍から手芸にハマったという人は多い。その人たちも同じように、集中して作り上げるのが楽しいというのだ。おこもり期間、マスクきっかけの手芸は、娯楽を兼ねた精神安定の効果を意外に多くの人に与えているのかもしれない。