まさか自分が「アルコール依存症」?

実はK美さん、アルコール依存症には苦い思いがあった。

「実家で子どもの頃同居していた祖父が、酔うと怒鳴って暴言をはく人でした。祖母やうちの母といつも言い争っていて、酔って大事にしていたおもちゃを投げながら怒鳴られて、幼い頃は祖父が怖くて逃げていました」

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そんな祖父を見ていたので、アルコ―ルに対して子どもの頃は嫌悪感があったという。でも、大人になってその記憶もどこか薄れていたところがあった。

祖父のような飲み方はしてないと思っていました。それでもアルコール依存症になってしまうの?と思ったら、めちゃくちゃ怖くなりました。誰でもなる可能性があるんだと……」

K美さんは「祖父のようになるのが怖い」という思いから、とにかく不安を払しょくしたい、とアルコール専門外来があるクリニックを受診。重度のアルコール依存症ではないということで、飲酒量を記録しながら量を減らしていく「減酒」を目的としたカウンセリングを行っているという。

早い段階でアルコール専門外来につながったK美さん。依存症はできるだけ早期から治療を始めたい。photo/iStock

再びの緊急事態宣言下、そして夏場はアルコールの飲酒量が増加する。さらにこの時期、アルコールを片手にオリンピック観戦も多いだろう。「自分だけは大丈夫」「私は酒に飲まれることはない」という人こそ、アルコール依存症になりやすいと自覚したほうが賢明だろう。

後編では、コロナ禍に増えている女性のアルコール依存症について、依存度チェックのできる詳細を、長年アルコール依存症治療に携わっている大船榎本クリニック精神保健福祉部長(精神保健福祉士・社会福祉士)の斉藤章佳氏に伺う。