知らぬ間に毎日、そして仕事中も……

「毎晩飲むようになるまで、そんなに時間はかかりませんでした。18時頃仕事が終わるとすぐに、キッチンに行って冷蔵庫を開いてプシュッと1缶開けます。これがものすごくおいしい。そこからパパッと夕食を作って、夕飯食べながらまたプシュッと。その後も友だちと話しながら、ネットで映画とかながら飲み続けるときもあります。

さすがにたくさん飲んだ翌日は頭痛と吐き気で仕事にならなくて、業務でミスをしたこともありました。さすがに上司に気が緩んでいると言われて、お酒をやめようと思ったこともありました。でも、また仕事が終わると飲みたくなって、プシュッと開けてしまうんです」

実は、この頃には飲みながらデスクワークをすることも増えてきたK美さん。
「在宅ワークだと会議中以外は、見えないじゃないですか。仕事さえノルマ達成できれば、お酒ぐらい飲みながらやっても平気と思ってしまって。初めて飲みながら仕事をしたときは正直ドキドキしました。でも、飲んで仕事をすると、テンションが上がって効率がいいような気がしたんですね。この程度なら大丈夫じゃない、と思ってしまって。それからはたびたび仕事中も飲むようになりました」

飲んでいても仕事ができていれば問題ない、飲んでいても乱れなきゃ平気、バレなきゃ大丈夫、といいように解釈して、飲酒量は増えていったという。

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毎日飲みが当たり前になり、会社の健康診断で肝臓の値が前年よりも悪いことを指摘されたころに、K美さんはあるネットの書き込みを目にする。
「在宅ワークで飲酒量増加。アルコール依存症って言われた」

え? アルコール依存症? 自分も在宅ワークから飲酒が増えているけど、それだけでアルコール依存症とか呼ばれちゃうの? 私もアルコール依存症ってこと? と「マジありえない、そんな飲んでないし」と毒づきながら、冷蔵庫を開いて缶チューハイを取り出す手が止まった。缶チューハイでいっぱいの冷蔵庫……。キッチンのゴミ箱にはアルコールの空き缶で埋め尽くされいる……。「いや、結構飲んでいるかも……」、K美さんは動揺したという。

冷蔵庫を開くと食材以上にアルコールが独占していることに気づいたK美さん。photo/iStock

アルコールにハマっているって自覚が全くなかったんです。楽しくておいしくて飲んでいるだけだと思っていた。でも、なんだか急に心配になりアルコール依存症と検索すると、『仕事が終わるとこれでお酒が飲めると思う』『飲まないと眠れない』『休みの日は昼間から飲んでいいと思う』といったチェック項目があって、当てはまるものがあまりに多くて愕然としました。まさに私……。

でも、仕事中飲むのはさすがに自分でもマズイなと、後ろめたさは感じていました。だから『在宅ワークで飲酒量増加。アルコール依存症って言われた』という書き込みに反応したんだと思います。認めたくないのに、自覚はないのに、心の奥で、やっぱりそうだったのか……と冷静に思う部分もありました」