「帰りを心配しなくていい」が飲酒量を増やす

コロナ前まで、仕事の後に飲むとなると、「どこかのお店に行って」というのが定番だった。ところが緊急事態宣言で「Stay Home」が当たり前になったコロナ禍は、「家飲み」が主流になった。

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「家飲みの利点は、帰宅する心配がない、ということ。仕事帰りにお店で飲んでいたときには、終電の時間や明日の仕事を気にし、更に上司や部下の手前、無意識に自制しながら飲んでいた人が多かったと思います。ところが家飲みになるとそのような目に見えないストッパーがなくなります。終電の心配もなく、またリモートワークの影響で飲酒開始時間が早まることで相対的飲酒量が明らかに増えます

また、実際目の前で、飲みすぎの人を見れば、そろそろやめておけばと声をかける人もいますが、オンラインだとそのあたりもグダグダになりやすい。眠くなる人は勝手に寝落ちし、泥酔者も放置してお開きということも多いようです。

実はコロナ前の生活は、意識しないところで、『飲みすぎ注意』のバイアスが掛かっていたんだと思います。でも、コロナ禍だとそのバイアスが効果的に機能しなくなってしまった、これはとても大きな変化です。こういった様々な条件や飲酒環境の変化から自制が緩んでしまうのです」

外飲みが多かったコロナ前は飲んでも帰れる正気さが必要だった。家飲みではその部分は求められない。photo/iStock

確かに、自宅ではへべれけになっても、そのままベッドに直行すればいい。あらゆるハードルは一気に低くなることは確かだ。さらに、生活のルーティンもコロナ禍に無意識に変更され、それが飲酒習慣に影響していることも多いと斉藤さんは指摘する。

「例えば、会社に行くとき、パジャマで行く人はいません。でも、コロナ禍在宅ワークになった人の中には、オンライン会議で映る上半身だけ着替えて、下半身はパジャマのままという方もいる。別にパジャマのままがいけないと指摘したいわけではありません。直接会う場面では人はその場のルールや調和に合わせようと自制します。でも、在宅ワークではその部分に多かれ少なかれ緩みが出ます。

もちろん、感染対策の上で在宅ワークを進めることはとても重要なことですが、リアルでのつながりを実感しにくくあっという間に孤立化しやすい。また、以前とは違う点として、朝のミーティングが終わったら二度寝しちゃおう、ノルマを達成すればテレビをみながら仕事をしてもいいかな、そんなに忙しくないからゲームで暇をつぶそう、という発想も出てきます。その中に、『仕事しながら飲酒』へのハードルも低くなっているように感じています」