想像以上に多い女性のアルコール依存症

映画やドラマに登場するアルコール依存症は、ワンカップ酒が散らばり、一升瓶を抱え、風呂にも入らずぼさぼさの頭に無精ひげを生やした風貌で、暴言を吐き暴れる姿で描かれることが多い。

「でも、実際のアルコール依存症の方でそういうステレオタイプの姿の方はほとんど見なくなりました。アルコール依存症に関しては誤解や偏見が多いのです」というのは、『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』(集英社)の著者で大船榎本クリニック精神保健福祉部長(精神保健福祉士・社会福祉士)の斉藤章佳氏だ。

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「実際には女性のアルコール依存症も少なくありません。少し前のものですが、2013年に厚生労働省が調査した『未成年者の喫煙および飲酒行動に関する全国調査』では、女性のアルコール依存症の生涯経験者は13万人以上いると言われています。女性の場合、男性よりもアルコールの問題は表面化しない傾向があります。そういった側面を考えると13万人よりも数字は多いと言えます。

また、日本には男女合わせての数字になりますが、およそ1000万人ものアルコール依存症予備軍がいます。私は、コロナ禍にこの予備軍だった人たちが生活習慣や就業形態の変化からアルコール依存症に移行している可能性が高いと考えています。しかも、その人たちは、冒頭にあげたステレオタイプの人たちではありません。パッと見アルコール依存症とはわからない『ネクタイアル中』と呼ばれる人たちがとても多いのです」

コロナ禍はオンラインで何か作業しながらジュース感覚で飲酒する人も増えている。photo/iStock
コロナ禍でアルコール依存症と診断された41歳の女性の体験談
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