検索エンジンもSNSも…ネットに埋め込まれた「ランキング」の功罪

人気が人気を呼ぶ循環構造の不合理
宇田川 敦史 プロフィール

ランキングの循環構造

オリンピックで3位以内に入りメダルを取れば、たとえ4位との差がきわめて僅かであったとしても、その後の選手生活は大きく変わる。メダルを取ることで資金や練習環境が充実すれば、(僅差だったかもしれない)4位以下の選手との差を大きく拡げることが可能だし、現実にそうなっているだろう。

ここでは、実力があるからランキング上位になる、はずがいつのまにか、ランキング上位だから実力差が拡がる、という倒錯した循環が起きている。

このランキングの循環構造、GAFAに代表される現代のデジタル・プラットフォームにも幅広く埋め込まれている。Googleなどの検索エンジンは、その最もわかりやすく、最もよく使われる例だろう。記事のアクセスランキングのように、あからさまに順位が表示されるわけではないので気づきにくいが、Googleの検索結果は、アルゴリズムによって評価されたWebページがランキング順に並べられたものだ。

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クリック率で再計算される検索エンジン・ランキング

Googleのランキングを計算する手順(「アルゴリズム」と呼ばれる)の詳細は公開されていないが、基本的には多くの人にとって役に立ちそうなWebページが上位にくるように調整されている。例えば、そのWebページがどの程度多くのアクセス数を集めているか、は主要な判断基準とひとつである。Googleでは、そのアクセス数を、検索結果画面でのどの程度クリックされているか(「クリック率」)を計測して推定する。クリック率が高ければ高いほど、ユーザーにとって有用な可能性が高いとみなすわけだ。

以前拙稿でも紹介したが、SISTRIXのデータによれば、Googleの検索結果ランキングの順位によってクリック率は大きく異なり、11位以下の2ページ目までいくユーザーはわずか1%しかいない。つまり、Googleのランキングで上位にくるWebページは、まさにそれが上位であるが故にクリック率が高くなり、クリック率が高くなるが故にさらにランキングが上昇するという循環が生じる。逆にランキング下位のWebページは、それがクリックされないために不人気なページとみなされ、上位のページとの格差が拡大していく。

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