怒り心頭の菅首相…「原発再稼働」がエネルギー政策で言及されなかった真相

まさに泣きっ面にハチである

再エネ普及に高い目標

経済産業省(多田明弘事務次官)は7月21日午後、梶山弘志経産相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長・白石隆熊本県立大学理事長)を省内17階の国際会議室で開き、「エネルギー基本計画(素案)」を発表した。

菅義偉首相は4月22日にオンライン形式で行われた米国主催の気候変動サミットで、温室効果ガスの排出量を2030年度に13年度比46%削減する目標を定めたと国内外に表明した。

これに合わせて2030年度の我が国の電源構成を見直し、総発電量に占める再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の比率をどれだけ高めるのかが、第46回基本政策分科会での注目点とされていた。

photo by gettyimaegs

だが日本経済新聞(17日付朝刊)が先行報道したように、再エネの比率を現在の30年度目標22~24%から10㌽以上引き上げて36~38%に高めたのである。もう一つの焦点である原子力の比率は20~22%を維持することになった。

再エネ普及に高い目標を掲げることは、世界的な「脱炭素」の潮流からしても実に結構だと思う。しかし、読売新聞の倉貫浩一編集委員が同日付の解説面で、菅首相が昨年10月に表明した「2050年に温室効果ガス実質ゼロ」(2050年カーボンニュートラル)に向けた中間目標である「30年度に13年度比で46%削減」の成否を握るとされる再エネの中核である「太陽光」について、記事の末尾に以下のように記述している。

 

《コストが安い太陽光発電を大幅に増やしても、全体の発電コストは逆に上昇し、結果的に電気料金も高くなる可能性がある》。そして同記事の前段で指摘しているように、経産省が示した30年時点での電源別の発電コストの試算で「原子力」は「太陽光」を上回るが、それは福島原発事故後の安全対策費用の増加などを反映したものであり、再エネの安定した電力供給に必要な様々なコストが含まれていないのである。

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