五輪マラソン会場で「ヒグマ出没」騒動…そのあまりにも怖すぎる現実

札幌市と猟友会は24時間の厳戒態勢
週刊現代 プロフィール

これは、決して絵空事ではない。マラソン開催中の札幌で起こり得る、最悪のシナリオである。

札幌市はいま、かつてない最大の危機に見舞われている。ヒグマが市街地まで侵入し、人間に襲い掛かる事件が発生したのだ。市内では6月、4人もの人がヒグマに襲われ重軽傷を負っている。

6月18日の午前3時半ごろ、ヒグマが突如として札幌市東区の住宅街に現れ、出くわした人々を次々襲うという惨事を引き起こした。マラソンのコースから、わずか2km強しか離れていない場所だ。

 

ゴミ出しの帰りにクマと遭遇し、襲撃された小笠原敏師さんが語る。

「5時20分ごろ、ゴミを出して戻ってきた時、自宅と隣家の間の1・5mほどの隙間に大きな黒い塊を見つけました。

次の瞬間、唸り声を上げながらその塊がこちらへと猛スピードで向かってきたのです。一瞬でクマだ! と気が付きました。

慌てて逃げだしたのですが、恐怖のあまり足がもつれて10mほど走ったところで転倒してしまった。

喰われる、死ぬ、と思った瞬間、クマは私の背中を踏み、走り去っていきました。もしもう少し走って逃げていたら、嚙みつかれて命を落としていたかもしれません。クマが去った後も生きた心地がしませんでした」

小笠原さんを襲ったヒグマは札幌市内を北上、通勤途中の40代男性に背後から嚙みつき、肋骨骨折の重傷を負わせるなど、計4人が被害に遭った。

東区在住の別の男性が当時の様子を振り返る。

「ゴミ出しに向かおうとしたら、窓の外に警察車両が停まっているのが見えました。『この近くにヒグマが出没しました。絶対に家から出ないで下さい』とアナウンスしており、周囲は物々しい雰囲気。

目を凝らすと、『さすまた』を持った警察官が立っているのが見えました。あの程度の装備でヒグマに立ち向かうのは可哀想だと思いましたね。

この日以降、市内では真偽不明のものも含めヒグマの目撃情報が相次いでいます。これまでは絶対にクマが現れないと考えられていた住宅街に出没してしまったため、市民も疑心暗鬼になっているのです」

件のヒグマは丘珠空港近くの茂みに逃げ込んだところを、地元猟友会所属のハンターによって猟銃で仕留められた。目撃から約8時間後の決着だった。

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