2021.07.31
# 確定申告

ウーバー配達員の“自転車代”、キャバ嬢の“私服代”は「経費」になるのか…その「意外すぎる答え」

スモビバ!編集部 プロフィール

――人気YouTuberは再生回数を稼ぐために「1個1万円のイチゴを食べてみた」とか「100連ガチャでシークレットは出るか」みたいなお金のかかる体当たり企画をしていますよね。その費用って経費になりますか?

宮原: 経費になるかどうかを考える前に、その収入が「事業所得」か「雑所得」かを考えたほうがいいですね。

――「事業所得」なら経費になるんですか?

宮原: 事業所得でも雑所得でも経費にはなるのですが、青色申告ができるかどうかや、赤字の場合などの取り扱いが違ってくるんです。

ブロガーやYouTuberに限らずどんな仕事でも、事業として認められるには2つのポイントがあります。

1つは「収益性」、つまり「その事業によって利益が出ているか」と「その仕事のやり方を続けていけるか」ということです。

――例えば1個1万円のイチゴを食べてもちゃんと利益が出ているなら「事業所得」と認められるので、経費になると。

Photo by iStock
 

宮原: そうですね。2つ目のポイントが「継続性」です。

「その仕事のやり方を続けていけるか」ということですね。たとえイチゴの動画が赤字だったとしても、そのほかの動画で黒字であれば継続的に事業所得を得ていることになるので、その人はプロのYouTuber。

イチゴやガチャの代金はもちろん、撮影に使うスタジオ代やカメラ代も経費になります。

――「収入はないけどやってみた」では趣味レベルと見なされて、「雑所得」として扱われても仕方ありませんね。

宮原: そのとおり。1つずつの費用が経費かどうかを考える前に、「このお金をかけて収入を得られたか」「このやり方でメシを食っていけるのか」を考えると経費になるかどうかの答えが出てきます。

インスタグラマーがインスタ映えスポットに行くための交通費や入場料、温泉ブロガーの宿泊費なんかも同じですね。

――ちなみに「雑所得」だと経費にしてはいけないのでしょうか?

宮原: 経費にしてもいいですが、赤字になっても給与などほかの種類の所得と相殺できず、赤字が切り捨てになって終わるだけですから確定申告書に赤字を書くだけになりますね。

――では、例えばサラリーマンがブログのアフィリエイトで年間20万円を超える「雑所得」をあげたけれどPVを稼ぐために20万円超のお金をかけてしまったと。そういう場合は赤字申告してもムダだから、帳簿をつけなくてもよいのでしょうか?

宮原: たしかに「雑所得」については帳簿をつける義務はありません。ただし何らかの理由で税務調査が入る可能性がありますから、簡単でかまわないので収入と経費は記録しておいた方が安心です。

ちなみに「所得」というときは「収入金額」から「必要経費」を差し引いた儲けのことで、売上の金額ではないですからね。

――「事業所得」の場合は確定申告のときに帳簿も提出しなければいけないんでしたっけ?

宮原: 帳簿そのものは提出しなくていいですよ。ただし、白色申告の場合は収入と経費を網羅した帳簿、青色申告の場合は「総勘定元帳」や「簡易帳簿」などの帳簿をつける必要があり、どちらも7年間は保存する義務があります。

税務調査が入った場合はそれを見せることになるので、きちんと保管しておいてください。

セミナー講師のヘアメイク代は「美粧費」として計上

――それでは、ここからは「事業所得」であることを前提に質問しますね。
フードコーディネーターなどがメディア出演や講演のためにヘアメイクを依頼したり、スキンケアのために高価な化粧品を買ったりするケースは?

宮原: 仕事をするために必要なものであれば経費です。勘定科目としては、不定期で数回程度なら「消耗品費」でよいでしょう。でも、頻繁にかかる費用であれば、支出の空欄に「美粧代」など、自分で項目を作って計上したほうがわかりやすいと思います。

役者さんのエステ代も美粧代ですね。

――自分で項目を作ってもいいんですね。では外見に関することというと、スタントマンやアクション俳優が体をメンテナンスしたり、怪我を予防したりするためのマッサージ代は?

宮原: 「雑費」でもいいですが、ある程度の金額になるなら「ボディメンテナンス代」という項目を作ったほうがいいでしょう。

ちなみに、実際に怪我をしてしまったときの医療費は、「医療費控除」のなかで申請してください。

関連記事

おすすめの記事