「経営不在」「理事長独裁」の私立大学に歯止めはかかるか

文科省「ガバナンス改革会議」渋々発足

早くも骨抜き画策

私立大学など学校法人の組織体制を見直す文部科学省の「学校法人ガバナンス改革会議」が始まった。

文部科学省HPより

理事の選解任権や予算決算の承認権を評議員会に与える「ガバナンスの強化」が焦点で、年内に審議結果をまとめて条文化作業に着手、2022年春に国会に私立学校法など関係法令の改正案を提出する。一方で、理事長や理事会へのチェックが強まることに私立大学経営者らが抵抗しており、これに乗った文科省も改革会議の「骨抜き」を画策しているという。

日本の私立大学は、長年にわたる国からの多額の補助金支給で「ぬるま湯」体質が続き、事実上「経営不在」の状況が続いてきた。一方、少子高齢化が進み大学の経営環境が厳しさを増す中で、教授会の位置づけを変え、理事会に経営権を集中する改革などが進められてきた。

そんな中で、一部の私立大学では「理事長独裁」による内紛が世の中を騒がせている。こうしたことから、学校法人の理事会のあり方を見直すべきだという指摘が与党などから高まり、政府は繰り返し「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で改革姿勢を打ち出している。

2019年6月に閣議決定された骨太の方針には以下のような記述がある。

「公益法人としての学校法人制度についても、社会福祉法人制度改革や公益社団・財団法人の改革を十分に踏まえ、同等のガバナンス機能が発揮できる制度改正のため、速やかに検討を行う」

少なくとも社会福祉法人や公益財団法人並みのガバナンスに変えることを政府方針として示したわけだ。

それから2年がたった今年6月の骨太の方針にも「手厚い税制優遇を受ける公益法人としての学校法人に相応しいガバナンスの抜本改革につき、年内に結論を得、法制化を行う」と書き込まれた。学校法人が享受している「手厚い税制優遇」は「国民から隠れた補助金」(1回目の会議で配布された会議の「趣旨」)なので、それ相応のガバナンスを効かせる必要がある、というわけだ。

 

骨太の方針は閣議決定された「政治の意思」で、所管する各省庁は真っ先に対応が求められる。この骨太の方針を受けて、文部科学省も渋々なら重い腰を上げたというわけだ。

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