【数学間違い探し】円の周りを半径が半分の円が一周したら、小さい円は2回転?

考える力が身につく「数学間違い探し」
芳沢 光雄 プロフィール

中級問題の解説

A君の説明は正しい。

A君の説明方法は背理法である。それは、「結論を否定して、推論を進めて矛盾を導き、結論の成立がいえる」というものである。

たとえば、犯罪捜査で次の展開があったとする。

(1)A氏が容疑者に浮上。
(2)A氏が犯人ならば、事件当時は現場にいる。
(3)しかしA氏は、事件当時に遠く離れたお寿司屋さんにいた。

それは「アリバイ成立」で、A氏を犯人としたことから導かれた「矛盾」である。よって、A氏は犯人でないことになる。

上の例も立派な背理法である。数学科勤務の22年間で、推薦入試で何回も「背理法を説明してください」と受験生に尋ねてみた。受験生は判で押したように「√2は無理数であることを証明します」と答えていて、ちょっと残念な思いがしたことを思い出す。

また東京理科大学に勤めていた頃、「背理法を説明しなさい」という記述式の入試問題が数学科で出題された。その後、その問題が話題になって、朝日新聞の一面でも紹介されたことを懐かしく思い出す。

背理法は、広く用いられる証明法であることを留意していただきたい。

上級問題

【問3】高校数学をすべて履修したA君に、次の計算問題が出題された。

√(4√3-7)×√(2√3-4) を計算せよ。

A君は次のように計算した。正しければ「正しい」と答え、間違っていればその部分を指摘して修正しなさい。

A君の解答:

 √(4√3-7)×√(2√3-4)
  = √{(4√3-7)×(2√3-4)}
  =√(4×2×3-4×4√3-7×2√3+7×4)
  =√(52-30√3)
  =√27-√25
  =3√3-5

なお上の計算で、(3√3-5)²=52-30√3 を用いている。(ここまでがA君の解答)

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