2021.08.16
# 幾何 # 数式

【数学間違い探し】円の周りを半径が半分の円が一周したら、小さい円は2回転?

考える力が身につく「数学間違い探し」
芳沢 光雄 プロフィール

初級問題の解説 

A君の答えは間違っている。

正解は3回転である。これは、実際に円Bと円Cを厚紙で作って試してみれば納得できる。

また、そのように2つの円を作らなくても、以下のようにして考えれば、正解が3回転であることは理解できるだろう。

図において、点Pは円Bと円Cが外接する両方の円周上の点で、点Qは、Cに関して点Pと対称な点で(線分PQは円Cの直径)、点Rは角RBPが直角となる円Bの円周上の点とする。

このとき、円Bの弧PRと円Cの弧PQ(円Cの円周の上半分)の長さは等しい。それゆえ円Cを、円Bに外接した状態ですべることなく動かしていくと、円Cの円周上の点Qが円Bの円周上の点Rと重なるときがある。その間に、円Cは3/4回転していることに注意する。

要するに円Cが、円Bの円周の1/4を進む間に、円Cは3/4回転している。したがって円Bの周りを、円Cを外接した状態ですべることなくちょうど1周させると、その間に円Cは3回転することになる。

なおこの問題は、かつて日本数学検定協会の3級で出題されて、一躍有名になった問題を変形したものである。数学検定の問題は、円Bと円Cの半径は同じであった(その場合の答えは2回転)。説明方法はいくつかあって、日本数学検定協会「Math Math」創刊2号(2004年)で述べられている説明方法は、上記のものとは異なる。

中級問題

【問2】A、B、Cの3人がいて、ある仕事を3人で行っても1時間以上かかるとする。なお、A、B、Cが1分当たり行うことができる仕事量を、それぞれa、b、cとするとき、3人が1分当たり行う仕事量は a+b+c であるとする。

この状況についてA君は、「一人が単独でその仕事を行うと、2時間以上かかる者が少なくとも2人いる」と考えた。そして、A君は次のように説明した。A君の説明が正しければ「正しい」と答え、間違っていればその部分を指摘するか、あるいは反例を挙げなさい。

A君の説明:
単独でその仕事を行って、2時間以上かかる者が1人以下の場合があるとする。すると、3人の内の少なくとも2人は、単独でその仕事を2時間未満で終わらせることになる。

そこで、その二人をX、Yとすると、XとYはどちらも単独で1時間当たり、仕事全体の半分より多くを終わらせることになる。

したがって、XとYの二人でその仕事を行うと、1時間より短い時間でその仕事を終わらせることになって、最初の仮定に反して矛盾である。

それゆえ、一人が単独でその仕事を行うと、2時間以上かかる者が少なくとも2人いるのである。

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