迷惑動画を撮影する大人たち

2020年5月にスーパーで支払い前の魚の切り身を食べているところをYouTubeにアップしたユーチューバーが逮捕された。そのユーチューバー・へずまりゅうこと原田将大被告に対し、2021年1年7月19日の裁判で検察側は懲役1年6カ月を求刑した。判決は8月27日に言い渡される。
彼は「迷惑系」とも言われている。大阪で店頭で売っているブランド品を偽物扱いしてクレームをつける動画を撮影したり、コロナで緊急事態宣言中にマスクなしの大宴会を開催したり……。

動画投稿サイトに投稿しても視聴回数が伸びないと、様々な工夫することは往々にあることだ。しかし正攻法でどうにもならないと、悪目立ちをしてビューを稼ごうとする人は、上記の例以外にも後を絶たない。じっさい彼も当初は普通の動画を投稿していて、視聴回数を稼ぐためにとにかく驚かせるいたずらを仕掛けるようになっていったようだ。

では、それを子どもがしていたらどうなるだろうか。

(c)伊藤みんご・山崎聡一郎『まんが こども六法 開廷! こども裁判』/講談社
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子どもは謝れば許してもらえる?

法律の観点から「迷惑動画を撮影して、本当に他人に迷惑をかけたらどうなるのか」、そして「動画の撮影者・投稿者が子どもの場合なら許されるのか」というテーマを扱ったのが、『まんが こども六法 開廷! こども裁判』に掲載されている漫画の第4話「子どもは謝れば許してもらえる?」である。
『まんが こども六法 開廷! こども裁判』は山崎聡一郎さんのベストセラー『こども六法』(弘文堂)を原案とし、「裁判」をテーマにした漫画を通じて、いじめや虐待などこどもたちが関係する法律について詳しく解説する一冊だ。

今回の主役は、動画チャンネルを作っている小学5年生の男の子。最初は普通の動画を作っていたが、「カゲキな動画のほうがうけがよくて」立ち入り禁止地域に入ったり、公園で騒音騒ぎをしたり、だんだんイタズラ動画ばかりを撮るようになっていた。そんな撮影をしていて怒られることもあったが、「ごめんなさいっっ! ゆるしてくださいっっーーってかんじで!」とりあえず謝っておけばみんな許してくれると大口をたたいていた。さらにこう語るのだ。

「しかもぼくたち『少年法』で守られてるし! 子どもならわるいことしてもゆるされるってことじゃないですか! たしか14歳になるまでは、刑罰?っていうのうけないんですよね?」

(c)伊藤みんご・山崎聡一郎『まんが こども六法 開廷! こども裁判』/講談社

しかし、その後落とし穴を作ってイタズラ動画を撮影しようとしたところ、見知らぬ高齢者が穴に落ちてしまう。そして「こども裁判」を用いたシミュレーションを通じ、実は「少年法は『子どもならわるいことをしてもゆるされる』という法律ではない」という現実を知るのだ。

漫画を担当している伊藤みんごさんは言う。
『少年法があるから子供は罰されない』という誤解をしている人は大人も含めて多いんじゃないかなと思っていて、だからこのお話で取り上げました。動画というテーマや、後から出て来るネットいじめもそうですが、今の子供たちが身近に接するものをしっかり取り上げたいというのと、子供が接する危険や問題の抑止力になるといいなと思って描いていました」

是非とも「少年法の現実」をマンガでも確認していただきたい。