聞こえているのに、聞き取りにくい? 急増する「APD」の対処法とは

聞き取りを保つ基本は"睡眠"!?
からだとこころ編集部 プロフィール

大人のAPDへの対処

1 仕事に役立つ機器、会話術を活用していく

相手の声が大きく聞こえるようにする、聞きとれなかったときに再確認するなど、聞きとりの苦手さをカバーする方法を考えていきましょう。

聞きもれ対策に役立つ機器類を使う

  • ボイスレコーダー
  • (聴覚過敏がある人)ノイズキャンセリング機能付きイヤホン・ヘッドホン
  • (「聞こえ」に問題がある人)補聴器

聞き返し方のバリエーションを増やす

何度も聞き返して相手に渋い顔をされ、そのたびに落ち込むなどといった人も多いでしょう。けれど、「わかったふり」では仕事にならなかったり、あとあと問題になったりするおそれもあります。

「え?」「なに?」だけでなく、「すみません、ちょっと耳が悪いので、ゆっくりお願いできますか?」「もう一度お願いします」など、聞き返し方のバリエーションを増やしていきましょう。

【写真】聞き返しのバリエーションを増やす聞き返しのバリエーションを増やすことも大切 photo by gettyimages

2 メモをとるなど「文字化」が有効

職場全体の取り組みとして視覚情報を活用していくとともに、APDのある人自身も、視覚化を心がけましょう。

「メモは苦手」とあきらめない

  • メモ用のノートとペンを常備
  • メモした内容を見ながら要点を確認

テクスト化するツールを使う

  • チャットツールを導入する
  • 音声を文字変換するアプリなどを使う

3 「聞きとりの練習」を日常的におこなう

子どもだけでなく大人になってからでも、トレーニングを重ねるうちに「聞きとり方」が上達していく可能性はあります。少しずつ、気長に取り組んでいくようにしましょう。

「聞きとり」に慣れる

  • 聞きとり問題(聴解)を集めた問題集など、各種教材を利用する
  • ラジオ・ポッドキャストを聞く
  • 仕事に関係する記事・資料を読む

4 心理面のケアで聞きとりの悪化を防ぐ

聞きとりの状態は、心理的な問題の影響を受けやすい面があります。ストレス対策も、聞きとり改善に大切な取り組みです。

共感は力になる

  • 身近な理解者と話す
  • 専門家のカウンセリングを受ける
  • APDの当事者会の活動に参加してみる

5 職場の合理的配慮を求める

APDの症状は、相手の話し方や環境が少し変わるだけで改善しやすくなります。そのため、職場で、自分がAPDであることを伝えて、仕事上の調整や変更を求める働きかけをするといいでしょう。

  • ボイスレコーダーなどの補聴機器の利用許可
  • 資料・連絡のテキスト化
  • なるべく静かな仕事ができる部署への配置

こうした合理的配慮は、基本的には本人の求めに応じて提供されるものです。APDであることを隠そうとするより、うまく伝えていく方法を考える方が建設的です。

ふだんの生活リズムを整えることも大切!

ふだんは聞きとりになんの問題もない人でも、体調が悪いときには、とたんに話がわからなくなったりするものです。聞きとる力の基礎にある「覚醒水準」が下がると、どんなにほかの力があっても、うまく働かなくなるからです。

日頃から規則正しい生活を心がけ、体調管理に努めることは、遠回りなようで、じつは確実な聞きとり改善策といえます。

体調管理には食事や運動への心配りも重要ですが、聞きとりにもっとも影響するのは睡眠です。睡眠不足が続くとストレスを感じやすくなり、ストレスが大きくなるとますます眠れなくなるという、悪循環が生じがちです。

真面目で、責任感の強い人ほど、あれこれがんばりすぎてしまいがちです。もともとAPDの症状を強く感じやすい性格傾向であるうえに、心身の疲労がいっそう症状を強めるおそれもあります。眠れなくなるほどのストレスをかかえる前に、十分な睡眠を確保できるよう、生活全体を見直していきましょう。

【写真】睡眠も大切十分な睡眠を取るなど、生活リズムを整えることも大切 photo by gettyimages

本記事の参考書籍はこちらです

APD(聴覚情報処理障害)がわかる本

【書影】APD(聴覚情報処理障害)がわかる本

監修:小渕千絵

当事者自身はもちろん、まわりで支える人がAPDを理解し、克服していくための一助となるようなヒントが詰まった1冊です! 

APDに気づくためのテスト音源も紹介!

書籍詳細  amazon 

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/