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文在寅大統領、訪日断念の「ウラ」で起きていた韓国内の“本当の事情”

裏側を検証する

大統領来日をめぐる報道の混乱

韓国大統領府は19日午後、「東京五輪を契機にした文在寅大統領の訪日をしないことに決まった」と発表した。

23日の開幕式まであと4日という時点での決定だった。この間、文大統領の来日を巡って、日韓両国のメディアから様々な報道が飛び交い、韓国外交省が不快感を表明したこともあった。どうして大統領訪日を巡る報道が混乱し、なぜ訪日しないという結論に至ったのか。

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「文在寅大統領が訪日する可能性があるので、準備せよ」。韓国大統領府が外交省にこう指示したのが6月10日ごろ、英コーンウォールで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれる直前のタイミングだった。

複数の関係筋によれば、訪日は文在寅大統領本人の希望だったという。韓国与党関係者の1人は「韓国は慶弔の付き合いは大事にする。隣国で大きなイベントが開かれる以上、直接訪れてお祝いをするのが当然だと、大統領は考えたようだ」と語る。

また、文大統領の頭の中には、2018年2月の平昌冬季五輪開幕式に、安倍晋三首相(当時)が訪れてくれたことへの感謝の気持ちもあったという。韓国は当時、周辺4強国と呼ばれる日米中ロの首脳に訪問を働きかけていた。

だが、トランプ米大統領、習近平中国国家主席、プーチン・ロシア大統領はみな、訪問を見送った。そんななか、日韓慰安婦合意の破棄問題を巡って、一番心証を害しているはずの安倍首相が訪問してくれたことに、文大統領は深く感謝していたという。

大統領府は文大統領の意向を受け、訪日準備を始めたが、最終決定のタイミングは開幕式の10日前ぐらいをめどとするとした。安倍首相が平昌五輪開幕式への出席を韓国側に伝えたのが開幕式の約2週間前であったことを参考にしたほか、懸案を抱えている日韓関係が改善する見通しがあるのかどうか、あるいは韓国内の世論が評価してくれるかどうかをギリギリまで見極めたい考えが働いたという。

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