護衛艦「いずも」空母化は問題だらけ…推進した自民党と官邸の「お粗末さ」

このシビリアン・コントロールは適切か
半田 滋 プロフィール

この日、閣議を終えて防衛省に戻った岩屋毅防衛相(当時)は会見で「海上自衛隊や航空自衛隊から具体的なニーズや要請があって、このような考え方ができたのではなく、防衛政策上の観点から検討して『いずも』型の護衛艦に、さらに機能を付け加えるべきだという考え方に至った」と述べ、「いずも」型を運用する海上自衛隊、F35Bを運用することになる航空自衛隊から空母化の要求はなかったことを明言している。

空母化される護衛艦「いずも」(海上自衛隊のホームページ)
 

言い出しっぺは自民党国防族だった。同年5月、自民党政調会は大綱、中期防に向けた提言をまとめた。この中で空母を「多用途運用母艦」と表現して導入を求め、F35Bの取得を主張した。

大綱、中期防の改定に合わせて自民党国防族が提言をまとめるのは恒例化しているが、荒唐無稽な内容が含まれることもあり、防衛省は参考にせず、むしろ無視してきたのが実情だ。

しかし、安倍政権は違った。2013年、安全保障政策を議論する国家安全保障会議を創設し、事務局として国家安全保障局を新設した。2018年の大綱、中期防は初めて防衛省の手を離れ、国家安全保障局で策定された。元防衛副大臣は「提言が丸飲みされたので正直、驚いた」と振り返る。

「いずも」型の空母化は、自民党提言を受けて官邸主導で決まったことになる。

空母化される護衛艦「かが」(海上自衛隊のホームページ)

対潜水艦戦力は半減する

ただ、「いずも」型は艦首から艦尾まで平らな全通甲板を持ち、最初から空母のように見える。だが、搭載するのは対潜ヘリコプターで、対潜水艦戦に特化した特殊な艦艇として建造された。

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