宇宙は「どんな形」をしているのか?

現代科学の必須概念、「多様体」とは
小笠 英志 プロフィール

冒頭の問いのまとめ

問1.大地のどの点でもその点を中心とした小さい開円板とみなせます。そういう性質があるとします。大地のどこでもよいから好きな点から始まる曲線で大地の上に描かれた曲線をすべて考えましょう。

この曲線を大地の上で、どんどん伸ばしていきます。ずっと伸ばしていけるとしたら、大地はどんな図形でしょうか?(開円板は実は曲がっていてもよい、とします) 無限に広い平面と球面の他にも解があるでしょうか。

みなさんなら、他にも解があるのがたやすくわかるでしょう。図8のような図形も解です。

【図】8図8

問2.我々の住んでいる宇宙のどの点でもその点を中心に小さい開球体とみなせるとします。どこでもよいから好きな点から始まる曲線であって、我々の住んでいる宇宙の中に描かれた曲線をすべて考えましょう。

この曲線を 我々の住んでいる宇宙の中で、どんどん伸ばしていきます。ずっと伸ばしていけるとしたら、我々の住んでいる宇宙はどんな図形でしょうか?(開球体は"曲がって"いてもよいものとします)

無限に広い3次元空間は解になります。上述の3次元球面も解です。では、解はそれだけでしょうか。他にもあるでしょうか? 実は、他にもあります。その説明には多様体というものの定義をある程度きちんとした方がよろしいかと思います。


いかがだったでしょうか。

ここまでは、冒頭の問いに答えるための、そして「多様体を見る」という大いなる冒険のほんのスタートです。この先はぜひ講談社ブルーバックスの『多様体とは何か』(小笠英志)をお手に取ってみてください! 

本書では、冒頭の問いのような疑問が実は我々の日常生活にも非常に関係があることが分かりやすく解説され、さらに後半では多様体の最先端の研究に関する話題も登場します。

その一例が「ポアンカレ予想はまだ解けていない!?」。「ポアンカレ予想が解けた」というニュースはかつてメディアでも取り上げられて話題になったので「どういうこと?」と思われると思いますが、お読みいただければ世紀の大問題のより深い理解につながります。ブルーバックスWEBサイト【Kodnasha Bluebacks】でも、引き続きご紹介します、乞うご期待下さい!

多様体とは何か
空間と次元から学ぶ現代科学の基礎概念

現代数学や現代物理、すべての基本である、図形の一種である「多様体」の超入門。初心者向けに、次元数を徐々に高めながら解説していきます。数式ばかりではなく、イメージで捉えることができるように、解説も工夫されています。応用として、ポアンカレ予想、場の量子論の標準模型、超弦理論などにも触れ、注目されている、この分野の未解決問題も紹介します。

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