「帰らないおじさん」(講談社)

公園のベンチにおじさんたちが集結!?他人であり、会話もない…彼らは何をしているのか

残業がないと暇を持て余す?

オリンピック開会式の前日にあたる7月22日と当日にあたる23日は祝日となり、土日と合わせて4連休になる。働きづめの毎日にしばしの休息を…という方も多いかもしれない。

政府は2018年、超少子高齢化による労働人口減少対策に踏み切った。生産性の向上、多様な就労形態を目指し、令和の時代の新しい働き方が模索されているのだ。

そんななか、「働き方改革」が進んだ未来を描いたマンガ『帰らないおじさん』(西村マリコ)が話題を集めている。

『帰らないおじさん』(講談社)第1巻が7月21日より発売!

それまでの“昭和的”な働き方が是正され、定時退社や長時間労働から開放された自由を手に入れたサラリーマンたちだったが、家にも会社にも居場所がなく自由を持て余してしまう……、というストーリーだ。

たとえばこんなエピソードがある。ある日、若者たちが公園で休憩していたところ、まだ明るいうちからベンチに一人佇む中年サラリーマンを発見。

「何してんだろあの人」と彼らはいぶかしむが、そうするうちに新たな中年サラリーマンが登場。

「いやいやお疲れ様です!」

『帰らないおじさん』より

異様なことに、日が暮れるにつれてどんどんサラリーマンが集まり、公園のベンチは満席となる。しかも、ほとんど他人らしく、あいさつはそこそこに座っているだけで彼らの間にとくに会話もない。

「な…なんだよ。なんなんだよ、あのおっさんたち」

若者たちは驚愕するが、実はこれは彼らにとって「呆活」なのだという。ボーッとすることで、日々の疲れを癒やしているのだ。どことなく、図書館に一日中座って過ごしている利用者を彷彿させる。

 

作者の西村マリコさんは本作の構想についてこう語る。

「コロナ禍で大学に行けなくなり時間ができたため、更新を久しくしていなかった『DAYS NEO』に趣味で描きためてきたショート漫画など約30作品を一挙にアップしました。

するとイブニングの編集者の方が『おじさんのショートギャグを描いてみませんか?』と連載の企画を持ってきてくださったんです。私はおじさんを描いてきたわけではなかったのですが『帰れず暇つぶしするサラリーマン』に興味を持ち、お話を受けさせていただいた次第です」

シュールなコメディマンガではあるが、働き方改革が進んだ際に起こり得る「予言」ともいえる。実際に残業もなく定時で上がった際、「実はやることがない」と思い当たる人はいないだろうか。今から自身の働き方や趣味の有無、家庭でのあり方を見直すきっかけになるかもしれない。

『帰らないおじさん』(講談社)第1巻が7月21日より発売!
西村マリコ/コロナ禍で大学が休校となり、漫画投稿サイト「DAYS NEO」にショート漫画などを30作品ほど投稿したところ、連載企画の話が舞い込み、『帰らないおじさん』(イブニング)でデビュー
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