トヨタが「オリンピックCM取りやめ」…そのウラで起きている「劇的な変化」の正体

スポーツビジネスが激変
加谷 珪一 プロフィール

当然の結果として、ビジネスとしての形態も変化してくる。メジャースポーツに投じられる資金が減る一方、マイナースポーツにも資金が回る可能性が出てくるし、ネットでの視聴拡大を通じて、ファンの個別の要求にカスタマイズした観戦方法などが模索されるだろう。

現在のビジネス社会はネットの発達によって、従来型のマス・マーケティングが機能しなくなり、顧客ごとにカスタマイズされたニッチ・マーケティングの重要性が高まっている。テレビがネットに押されているのはまさにこれが理由であり、スポーツ・ビジネスの世界にも同じ流れが到来した可能性が高いのだ。

 

マス・マーケティングが成立しにくい時代

マス・マーケティングとニッチ・マーケティングの乖離という問題は、典型的なネット企業である楽天もすでに直面している。サッカースペインリーグのFCバルセロナの2選手が日本人に対する侮辱的な発言を行ったことについて、スポンサーである楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は抗議を行った。

マス・マーケティングの最大のメリットは、全世界に画一的に企業ブランドを遡及できることだが、一方で、何か問題があった際の対応というのも、全世界で統一とならざるを得ない。

今回は当事者が三木谷氏に直接、謝罪したことから、今のところそれ以上の問題には至っていないが、「誤訳だ」「差別ではない」と主張する人も一部、存在しており、反応が二分される可能性もあった。企業にとってスポーツチームへのスポンサーシップというのは、もはや普遍的にメリットを享受できる手段とは限らなくなっている。

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