トヨタが「オリンピックCM取りやめ」…そのウラで起きている「劇的な変化」の正体

スポーツビジネスが激変
加谷 珪一 プロフィール

テレビも典型的なマス・マーケティングの業界だが、オリンピックに対して巨額の放映権を支払っているのが米NBCであることからも、テレビとオリンピックの相性が良いことが分かる。

同様にオリンピックに対しては、マス商品を提供する企業がこぞってスポンサーとして資金を拠出している。今回の東京オリンピックには、ワールドワイド・スポンサーとして、コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、トヨタ自動車といったグローバル企業が、国内スポンサーとしては、アサヒビールや日本生命、NTTなどの企業が名を連ねている。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

これまではオリンピックのスポンサーに名を連ねることは、それだけでマスに対する告知効果やブランディング効果をもたらすので、スポンサー料が巨額であっても十分にお釣りが来た。だが、今回の大会では、果たしてスポンサー料がメリットに見合うものなのか、疑問符が付くケースが続出している。

会場の運営方法に関する議論はその典型で、当初はアルコール提供を行う方針だったものの、安全性をめぐって議論が紛糾し、結局は提供されないことになった。アルコール提供の見送りについてはスポンサーからの提言があったとも言われている。仮に販売が可能だったとしても、多くの批判が集まることは確実であり、これではスポンサーとして資金を出す意味がなくなってしまう。

聖火リレーでも、スポンサーが用意した宣伝用の大型自動車がランナーを先導するやり方に一部から批判が出た。コロナ危機という特殊要因があったとは言え、資金を出せば無条件にメリットを得られた以前の大会とはすっかり様子が変わっている。

そしてとうとう、大口のスポンサーであったトヨタ自動車が、CM放送取りやめと開会式への出席見送りを決断するに至った。

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