ドイツで政策を見て痛感…日本政府が「法治主義」を軽視しすぎという大問題

コロナ対策で浮き彫りに
横田 明美 プロフィール

横田 今年3月、かねてから時短営業要請に反対していたGD社に命令が出されることになり、同社は命令には従いましたが、その後、そもそもその命令はおかしいのではないかということを訴えるために国家賠償請求訴訟を起こしたのです。

もちろん、この改正特措法の規定それ自体への批判はあり得ると思います。しかし、法律が制定され、それに基づいた法執行がなされていることは事実です。それゆえ、法律とその適用によって不利益を被った場合、GD社のように、法律に基づいて裁判所に提訴を行い、適法性を争うことができるのです。

東京地裁〔PHOTO〕Gettyimages
 

つまり、行政が直接、飲食店などに対して要請・命令を出し、しかもそれが法律に基づいている。だから裁判所に申立てもできる。これがツイートに出てきた「正規ルート」という意味です。

一方で、西村大臣の要請は、自粛に応じていない飲食店とは取り引きしないでくださいという(法律に基づいているかどうか曖昧な)要請で、しかも、飲食店に直接働きかけるものではなく、利害関係にある酒類販売店や金融機関から圧力をかけさせようというものです。

一般的に、人々の行動を縛るときに、「刑罰を科すようなやり方では厳しいから刑罰によらない形でやります」と言うと、一見、法律に基づいたものよりもゆるい手段のように見えます。

しかし、今回の場合は、金融機関との取引停止によって飲食店は倒産のリスクがあったり、酒類販売店は取引相手を失ったりすることになりかねない。その意味で、これは相当厳しい要請です。それを法律に基づかず、訴訟による救済も難しいような形で「お願い」するのは、不適切だと思います。

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