氷室冴子は少女だけのものじゃない

担当編集者として、『いっぱしの女』をどのような人に届けたいと思っているのだろうか。

「おそらく最初に手に取ってくださるのは、氷室さんのファンでしょう。その次の段階として、これまで氷室冴子に触れてこなかった層に読んでほしいですね。そして欲をいえば、20代30代の男性にも届けたい。少し居心地は悪いかもしれないけど、決して嫌な気持ちにはなる本ではないし、何よりも今の若い男性が苦しんでいることへのヒントも詰まっているような気がします」

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『新版 いっぱしの女』の刊行は往年の氷室読者を沸かせたが、本書はこれまで氷室冴子を読んだことがない人にとっても、最適の入門書となるだろう。

「氷室冴子は少女やかつて読者だった人たちだけのものではない、普遍的な言葉の力を持った人物であることを、多くの人に知ってほしいです。『いっぱしの女』の復刊が、再評価につながることを期待しています」

出版業界で働く女性作家として、社会のなかに生きる女として、氷室さんは自らの痛みや怒りを言語化し、発信していった。その言葉のバトンを受け取り、次の世代に繋いでいかなければいけない。