一流ビジネスパーソンが、仕事に必要ない筋肉を積極的に鍛えるワケ

「方法論」より「目的論」(4)
安田 秀一 プロフィール

一流アスリートが「自然体」に見えるのはなぜか

彼らが自分の競技などで確固たる自信があるのは当然ですが、それ以外のことにおいても、コンプレックス、すなわち劣等感のようなものはほとんど感じません。もう少し付け加えると、劣等感を持っていても気にしないか、それすらもさらけ出してしまうことが多くて、まるで気にしていないように見えるのです。

大谷翔平選手も人柄が絶賛される一人だ Photo by GettyImages

自信家ということではありません。だれかと自分を比べて、負い目を感じたり、自己嫌悪に陥ったりすることがなく、無理して自分を誇張しない。しっかりと「自分」というものを持っていて、人間的にも周囲から尊敬を集めるような人が多いと思います。

つまり、アスリートとして一流の人には、劣等感や自己嫌悪にとらわれたような人はほとんどおらず、人間としても一流というパターンが非常に多いと感じます。

そのように聞くと、ちょっと意外な印象を受けるかもしれません。日本では、コンプレックスが人を大きく成長させるというようなストーリーがよく受け入れられているからです。

たとえば、身長も低くて、体力もないということにコンプレックスを感じていた子どもが、その悔しさをバネにして身体を鍛え、技術を習得するなど努力を続けて、一流のアスリートとして大成する――というような逸話は、よく耳にします。

 

このような「自分が苦手である分野を、努力や気力でカバーしようとする」心理メカニズムが人間にあるということは、精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラーも指摘していて、これを「補償」と呼んでいます。

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