一流アスリートが“一流”なワケは「承認欲求」と「子供時代の夢」にあり

「方法論」より「目的論」(3)
問題を解決しようとがんばっているけれど、自分が少しかわいいゆえに、その場しのぎの決断を繰り返す――そうして本来の目的を見失い、「方法論」ばかりに目を向けるこの国のリーダーたち。一方、一流アスリートたちは、「なぜ?」「どうして?」を繰り返し掘り下げて、正しい戦略のもとに正しい努力を積み上げて成功を収めている。
スポーツアパレル「アンダーアーマー」の日本総代理店・株式会社ドーム代表取締役CEO・安田秀一著『「方法論」より「目的論」「それって意味ありますか?」からはじめよう』より注目の章を短期連載!

負けず嫌いが人を成長させる

さて、では「社会的欲求(所属と愛の欲求)」が満たされたら、人は次に何を求めるのかというと、マズローによれば「承認欲求」です(前回記事参照)。つまり、最近のソーシャルメディア社会における「いいね!」に象徴されるように、一人でも多くの人々に自分の存在を認められたい、自分のやったことを評価されたい、称賛を浴びたいというような欲求です。

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そのように聞くと、何やらネガティブな原動力というような印象を抱くかもしれませんが、スポーツの世界で長年生きていた僕からすれば、じつはこの「承認欲求」がもっとも爆発力があって、人を大きく成長をさせるものではないかという気もしています。

チームに貢献をしてつかんだ勝利も、ライバルとの競争や、自分自身との戦いを経てもぎ取った勝利も、基本的には、勝って自分の存在を認めてもらうという「承認欲求」が原動力になっています。だから、負けてその欲求が満たされず悔しい思いをしたとき、捲土重来を誓った人はこのようなことを言うのではないでしょうか。

「今に見ていろ」

この「見ていろ」という言葉からもわかるように、自分の存在を見せつけたいという強い思いが、より強くなること、より成長することにつながっているのです。だから、僕はスポーツにとどまらず、ビジネスなど勝負の世界でも「承認欲求」が非常に大切だと考えています。

実際、僕がこれまでお会いしてきた、第一線で活躍をするアスリートをはじめそれぞれの分野で名をなしている人たちには、「今に見ていろ」という思いでここまでのし上がってきた猛烈な「負けず嫌い」の人たちがたくさんいる印象なのです。

ただ、一方で、世界で活躍をするような「超一流のアスリート」になるには、このような「承認欲求」を原動力とするだけでは足りないような気もしています。

海外で活躍をする日本人の選手、世界中から尊敬される超一流のアスリートのみなさんの考え方や言動をインタビューなどから見るかぎり、このような人たちは単に「負けず嫌い」でここまできたという印象ではないからです。

自分がスポーツで結果を出すことで、社会を大きく変えたい。だれかを勇気づけたい。だれかの幸せに貢献をしたい。苦しくて絶望しているような人たちに生きる力を与えたい――。自分自身の承認欲求を超えて、自分の力でこの世界を少しでも良くしていきたいという強烈な「自己実現の欲求」があるように感じられるのです

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