「親でも同意が必要?」と最初は思ったが……

そんな私には、「ママがお風呂でわが子の体を洗おうとしたら、子どもがギャン泣きして『だいじだいじは自分で洗う!』と主張する」シーンが衝撃的だった。

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 「プライベートパーツは本人の同意なく他人に触らせたり見せたりしない」と、字面では理解しているつもりだったが、幼児であっても、生みの母さえ体を触る際には同意が必要な「他人」であるという事実に、ショックを受けたのだ。たしかに身近な大人から性被害を受ける子どもは少なくないのだから、必要なことなのだが……。

考えてみると私は、自分の体から生まれた息子に対して、彼が3~4歳になるころまで「自分の体の一部」という感覚で接していた気がする。だからこそウンチの始末も普通にできたし、抱っこしているとき胸元にドバッと吐き戻しされても「あらら」の一言で対応できた。自分の体の一部という感覚だから、彼のプライベートパーツに触れる際、いちいち息子に同意を得ることも当然、しなかった。

子どもが「自分の身体の一部」と思わないと乗り越えられない試練もあるがゆえに、子どもへの同意の必要性を忘れてしまうことも。photo/iStock

それに魔の3歳前後のイヤイヤ期に、体を洗うときや彼が大嫌いだった歯の仕上げ磨きのとき「母さんが触ってもいい?」と聞こうもんなら、確実に「イヤっ!」という答えが返ってきて、お手上げだったろうことは想像に難くない。遠見さんはどんな魔法を使って子育てしているんだろう?

すると遠見さんは頭を搔きながら「いつもできているわけではないですよ、私も(笑)」と答えた。

「実際、子どもの機嫌が悪かったり、忙しくて時間がないときは、私がさささっと洗うこともあります。でも、保護者に“プライベートパーツ”への認識がちゃんとあるか、ないかでは全然、違います

たとえば『今日はママがだいじだいじ洗うよ』とか 『だいじだから早くパンツはこうね』という声かけをしながら触れることもできます。一番身近な保護者が、子どもに同意を得てからからだに触れるのを前提にふるまうことで、他者の体も自分の体と同じように大事という意識が、子どもに芽生えていくのではないでしょうか」(遠見さん)