中高生の性教育の講演を15年以上続けている産婦人科医の「えんみちゃん」こと遠見才希子さんが3歳の娘とやり取りをヒントに、性教育の絵本を作った。

性教育の専門家が作った幼児向け性教育絵本を、保育園児たちに読み聞かせするという。幼児たちはどんな反応をするのか。どんな中身なのか。高校生の息子さんがいるライターの太田奈緒子さんがその読み聞かせの場に立ち会って、リアルな反応を目の当たりにした。

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家庭で性教育、といわれても……

子どもの性被害について、高校生の息子と映画を観たり事件をきっかけに話したりしながら、考え続けている。幼い子どもへの性被害も社会問題化していることから、ママ友界隈でも性教育に関する関心は高いが、その一方で戸惑いの声も聞こえてくる。

「幼稚園の下の子が、おちんちんブームで困ってるの。ニュースの『ワクチン』って言葉にまで反応して『えっ、ちんちん⁉』って大喜び。昨日もスーパーでいきなりスイッチが入って大声で連呼して、超恥ずかしかった。あとでめっちゃ叱ってしまった……」

「うちなんか中2になっても『お尻』だの『ちんちん』で大喜び。下手するとダンナまで一緒になって盛り上がってるから呆れちゃう」

「家庭での性教育が大事って言われるけど、まじめに話をしようと思っても、その手のフレーズが出てきたとたん、おふざけモード全開になっちゃうよね、はぁ……」

「うちは女の子だけど、女性器をどう表現すればいいのか悩んでる。『アソコ』ってなんか逆にいやらしい感じだし『性器』はストレートすぎるし、どう教えたらいいと思う?」

小さいうちから家庭でも性についてちゃんと教えてあげたいと思うものの、どう対処したらいいのかわからないという保護者の悩みはなかなかに深い。

そんな時、「えんみちゃん」こと、産婦人科医で大学時代から中高生に性教育を伝えてきた遠見才希子先生が、はじめての「からだ」と「性」の絵本『だいじ だいじ どーこだ?』(作・遠見才希子/絵・川原瑞丸/大泉書店刊)という、幼児向けのからだと性の絵本を出版。その絵本を使った子どもへの読み聞かせをする現場に立ち会うことになった。

就学前の子どもに、性教育の専門家である遠見さんはからだや性の大切さや、性被害への対処法をどのように伝えるのだろう? 神奈川県の保育園「ミリオングローバルキッズ」で遠見さん自身が読み聞かせをした会に参加し、子どもたちの反応と合わせて、子どもたちへの伝え方について話を聞いた。

遠見才希子さん 産婦人科医。性教育の普及や緊急避妊薬のOTC化、WHOが推奨する安全な中絶・流産の実現に向けて活動。 ふたりのお子さんのママでもある。