5. 唯一無二 ~“一番地”にだけ許された、磁場の魔法~

5.唯一無二 その価値は、ほかの何かとくらべることのできない唯一無二の何かである。

4の本来感で述べたように、美しく清らかな気、それこそがホテルの生命線なのだとすれば、ここはまさに唯一無二、日本一良い気が流れているホテルと考えて良いのだろう。一丁目一番地は、最重要にして最優先課題を意味するわけだが、千代田一番地、すなわち皇居をのぞむ、丸の内1-1-1、そこにはやはりある意味の絶対がある気がしてならない。日本最強の磁場という絶対が。だからこそ、隅々にまで行きわたる心地よさは、ここだけに許された、全くもって稀有な磁場の魔法としか言いようのないものなのである。

しかもそれを声高にアピールすることなく、一番地の一等地に在ることに対し、ひたすら誠実であろうとする姿勢は、清々しい。

夜の佇まいも清らかさが感じられる。

6. 美 ~ 約720点のアートと、美しい人たち~

6.美 ものやサービスが創造され享受されるまで通底して美が成り立ち、そのすべての瞬間が人々の情動に訴えかける美的体験である。

どこもかしこも美しいこと、それがホテルでの極上の時間を生むのは言うまでもないが、「美しい国の、美しい一日がある。」をコンセプトとするこのホテルには、珠玉のギャラリーとしての顔がある。緑や水のモチーフを取り入れたモダンアートが実に720点。「パレス・ガーデン」という発想のもと、“自然との調和”を館内のいたるところで体感できることに、このホテルの無上の喜びがある。

作品の9割が日本人作家によるもの。だから極めて自然に、日本的な意匠が混じり合い、独特の落ち着きと、物静かな快楽をもたらしてくれるのだ。

一般論として、ホテルのアートはインテリアの一部と化した、少々おざなりな設えが多い中、ここのギャラリーは、どこまでも本物。作品一点一点を、献身的なまでに想いを込めて見せている。美術を愛する人なら、アートの「庭巡り」でこの作品たち全てと丁寧に出会うためだけに、何泊費やしても構わないと思うのだろう。

そして美について、もう一つ特筆すべきなのが、スタッフの美しい所作、いや所作ばかりでなく、佇まいも美しい、とても端正な人たちばかりであること。“ルッキズム”としての美しさへの偏重ではもちろんない。今改めて、美しさが持つ心地よさに価値を見いだす時代になっている。つまり「人は、その日に会う人を心地よくするためにこそ美しくあるべきだ」という考え方。だからパレスホテル東京には端正な人たちがたくさんいる。

美しい微笑み、美しい声と言葉。美しい立ち居振る舞い。日本のラグジュアリーもここまで来たのだ。

アートだけでなく、目にはいるもの、目にみえないけれど感じられる雰囲気、すべてが美しい。

7. 日常的な上質さ ~子供用の歯ブラシ、衝撃的なクッキー缶~

7.日常的な上質さ 特別な日や特別な出来事に限らず、日々の暮らしにも上質さと豊かさをもたらす

ホテル・オリジナルのアメニティーに、クオリティーの本質が見えるのは言うまでもないことで、例えば、ロビーで私たちを迎えてくれるホテルアロマのすばらしいブレンディング、室内用スリッパの、通常の2倍近い膨らみに息を飲む履き心地。そもそも子供用のパジャマやスリッパ、歯ブラシ、ベビーシャンプーまで用意されているのは、テーマパーク近くのホテルでもないのに、やはり特別なこと。スキンケアに和のオーガニックを取り入れているのもユニークだ。また、ターンダウンでさりげなく加えられているホットアイマスクに、サービスの上質なきめ細かさを見せる。

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子ども用のパジャマやスリッパ。

一方、ありきたりなものになりがちなホテルクッキーにあって、ここのオリジナル、プティフールセック缶は、老舗の焼き菓子店も舌を巻くような、クッキーでできることの限りを尽くした上質にして劇的にキュートなクッキー缶に仕上がっている。隅々にまで、妥協を許さぬ本物志向、それを象徴する“作品”である。

プティフールセック缶。あまりにも有名な「千代チョコ」のほか、ホテルスイーツは、さまざまなオーダーに応えるケーキなども。