Japan‘sAuthentic Luxury=JAXURY100アワードで、審査員のほぼ全員が投票、名実共にJAXURYのトップ オブトップと言えるのが、「パレスホテル東京」だろう。

奇しくも、「最上質の日本」をテーマに掲げ、ナンバーワンであるより、オンリーワンでありたいと自ら訴える。事実、ナンバーワンであろうとする気負いや衒(てら)いは全く感じさせない。にもかかわらず、あらゆる点で比類なき上質を見せつける。客観的にも、ここにしかない「最上質の日本」を体感できる格別な場所なのである。

JAXURY100の選考基準として、JAXURY委員会は“慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科”の協力により、JAXURY「10の視点」(※記事の最後に詳細)を提示することとなった。そしてアワードにおいては、10の項目の一つ一つに対して部門賞が設けられたが、今改めて思うのが、大賞に輝いた「パレスホテル東京」は10の項目のいずれの角度から見ても、私たちの心を動かしたということ。

 だから今ここに「パレスホテル東京」というJAXURYな10の妙味を一つ一つ解き明かしてみたい。

●JAXURY委員会のメンバー
前野隆司さん(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授)、小山薫堂さん(脚本家、放送作家)重松理さん(ユナイテッドアローズ名誉会長)、奈良宗久さん(裏千家今日庵業躰)、齋藤薫さん(美容ジャーナリスト、エッセイスト)、森岡弘さん(ファッションディレクター、スタイリスト)、隅谷彰宏さん(テイラーアンドクロース株式会社 代表取締役)、川合寛妥さん(株式会社赤坂柿山 代表取締役社長)、吉岡久美子(講談社 FRaU JAXURY号編集責任)

●JAXURY「10の視点」とは……

Japan‘s Authentic Luxury=略称JAXURYを見極めるための視点。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科オーセンティック・ラクシュアリーラボの研究の結果導き出された。この視点をもとにJAXURY委員会は、2021年3月25日にフラウ5月号発売と同時に本誌および綱町三井倶楽部で100のJAXURYブランドを選出発表し、表彰が行われた。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81726

1.クラフトマンシップ 2.感性 3.信頼 4.本来感 5.唯一無二 6.美 7.日常的な上質さ 8.神話・歴史 9.幸運・僥倖 10.利他 (詳細は以下) 

1. クラフトマンシップ ~もてなしの職人技~

1.クラフトマンシップ 作り手やサービスの提供者が「心から良いと思うもの」を嘘いつわりなく追及し、そうして創造されたものやサービスが彼らの信念を世界に具現化している。

不思議なほどに、誰もが口をそろえる。パレスホテル東京は、なぜこんなにも心地よいのだろうと。そして理屈抜きにここが好きであると。もちろんホテルとしての全体力がもたらすものには違いないが、究極はホテリエたちのもてなしの職人技。それが並外れているのである。

ホテルの空気を作るのは、設えもさることながら、やはりどう考えても、人。“もてなしの職人たち”一人一人の技の結晶。特に「最上質の日本」を標榜するホテルだけに、日本的な気配りの機微と運動神経をそこここに感じさせるのだ。

明快なマニュアルはないと言う。いやおそらく、型通りのマニュアルを作らないこと自体、ここならではの緻密で壮大な計画の一部なのだろう。ベテランのスタッフが醸し出すぬくもりには、まさしく日本の老舗旅館の洒脱な接客にも似た、粋や色気すら感じさせる。マニュアルがあったらできない、1つ先の、1つ多めのもてなし。

経験と知性から自然に湧き上がる心遣いは、下書きもなしに、いきなり微細な文様を描き始める絵付職人技のような、奇跡的な仕上がりを見せるのだ。サービスは焼き物と違い、その瞬間に消え去るが、見事すぎるもてなしは、客の脳裏にまざまざと刻まれ、心地よい記憶に変わっていく。そして、理屈を超えた“ここが好き”を紡ぎ、またすぐここに来たいという、静かな衝動を生むのである。

2. 感性 ~洗練が洗練された人を呼ぶ ~

2.感性 関わるすべての人が、本質的な価値を感じとる感性を持ちあわせていることで、クラフトマンシップにより具現化された信念が体感、理解され、愛されている。

ここのインテリアは、何と表現したら良いのだろう。特定の形容詞では語れないのに、すべての形容詞がそこにある。シック、エレガント、ノーブル、セクシー、クール、ゴージャス......。そして様式としても、既成のスタイルをなぞっていない。和の気配は感じるが、ありふれたジャポニズム的“和”ではない。だから、わずかも奇を衒っていないのに、新しい。懐かしいような気がするのに、どことも似ていない。要するにそれが洗練なのだ。洗練はいつも人をハッとさせるが、ここはまさに何度訪れても、360度が情緒に訴えかけてくる。

だから結果としてそこに集う人々も、目立って洗練されている。洗練は洗練された人を呼び、空間をさらに洗練させる。客層がホテルの質を決めるなら、そういう意味でもここは紛れもなく超一流。

ロビーから濠を臨む一本の紅葉。敢えて左右非対称に配したという。何ともいえない心地よさを感じる感性のひとつ。

3. 信頼 ~人格者のような懐の深さ~

3.信頼 提供する側と受け取る側とが互いのクラフトマンシップと感性を信頼し合っており、その双方向の信頼が存在することで、ものやサービスに宿る信念が人から人へ継承されていく。

「信頼」とはまさに目に見えないもの。そして積み重ねてこそ成立するもの。さらに言えば「信用」よりも、命が宿ったもの。ブランドには、モノであれ、空間であれ、サービスであれ、人格を持った魂が宿っている。その「人格」を人として信じられるか?  それが信頼度を決めるのだ。

とりわけホテルはそれぞれ明快な人格を持っている。パレスホテル東京は、そこに宿る人格こそに評価が集まっていると考えていいが、それは例えばこんなところ......。

“超高級ホテル”は、宿命として訪れる人を緊張させ、時には威圧したりもする。自分はここにふさわしいのか? と、自問させたりもする。しかしパレスホテル東京は、平均客単価が日系のホテルの中でナンバーワンを誇る、名実ともに「超高級ホテル」と呼ぶべき存在にもかかわらず、ゲートを入る時から全く威圧感を感じさせない。

『フォーブス・トラベルガイド』のホテル部門でも日系ホテルで国内初の、6年連続5つ星を獲得しているが、5つ星を気取る気配など微塵もない。むしろホッとさせる包容力さえ備えている。それは、排他的に人を選ばないことの表れ。そこに人格者のような懐の深さを感じるのだ。ラグジュアリーの本当の意味を知っている、超高級ホテルである。

『フォーブス・トラベルガイド』では、6年連続の5つ星のほか、「世界で最も素晴らしい客室」にも選出されている。

4. 本来感 ~何でもない1日を、特別な日にする~

3.本来感 そのものやサービスを享受することは受け取る側にとって自分らしいと感じられることで、享受するほどに本来の自分へと近づいていく、あるいは還っていくことができる。

日本で一番美しい場所”を借景とし、ただ穏やかに、その深い森とたゆたうお濠の水面を眺めることができるホテルは、バルコニー付きの部屋を多く配し、最低でも45平方メートルをキープ、何でもない日をも特別な日にする。そこはシティーホテルの大きな課題。何もない日をどれだけ満足させ、充実させるか......。一日中、ただ部屋にいるだけで、身も心も浄化されたような感覚を覚えるのは、ここだけにある“気”の美しさ清らかさのせいなのだろう。

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お昼にチェックインして翌日の19時にチェックアウトするまで33時間のロングステイができるプランや、一日読書をして過ごすためのプランなど、単に寝泊まりする場所ではない、質の良い非日常を提供するホテルのあり方、あるべき姿を、改めて知らしめる本来感に満ちている。

日本の、東京の、中心の中心といえる場所で、ゆったりした、清々しい心地になれるプライベート空間を持つことができる。