大豆戸は子どもに対し余計なことをしない

現在は高校生と中学生になった息子2人が所属していた飯塚貴子さんは「大豆戸(FC)は子どもたちに余白というか、余裕を与えてくれる」と表現する。
「大豆戸のコーチたちは、子どもに対し余計なことをしません。子どもたちが成長する邪魔をしないのです」

例えば、大会の会場で子どもがふざけて走り回っても、頭ごなしに怒鳴ったりしない。末本さんらコーチ陣は「そういうのはどうかな?」と考えさせる。他の仲間が注意しそうであれば、それを見守る。
「試合会場で本部の人に怒られるのは、だいたい大豆戸の子なんです。うわ、恥ずかしい!と思うけど、コーチに任せるしかない。大豆戸のコーチは絶対に怒鳴ったり叱ったりしません。子どもの気づきを促してくれました。だから、親たちはかなり我慢していたと思います」と飯塚さん。

-AD-

飯塚さんの長男が高学年の年は、大阪や名古屋への遠征の際に会場の最寄り駅まで子どもたちを送り「電車に乗って、途中で自分たちが調べたお店でご飯を食べてホテルに戻っておいで」と子どもたちだけで行動させた。行こうとした店が休日だったが、自分たちで探した代替えの店で食べて戻ってきたという。

このような子どもたちの自立・自律を促すためのトライは、親たちをヒヤヒヤさせた。飯塚さんは「帰ってきた子どもに聞いてびっくりしました。店にどれだけ迷惑かけただろうと思って」と苦笑いで振り返る。毎年6年生が訪問する宮城県の石巻での遠征は、現地集合。事前に自分たちで現地の情報を調べる過程で、新幹線、在来線を乗り継いで子どもだけで行った。

Photo by iStock

斬新なやり方に、保護者から「これでは任せられない」「もっと世話を焼いてほしい」「試合のときにもっと指示してほしい」といった声も上がった。
「親はもうドキドキ、ハラハラです。でも、子どもがとにかく楽しそうで。そして、成長していくのがわかるんですね。学年が上がるたびに、遠征から戻るたびにたくましくなっていく。成長していくのがわかりました」