池上彰が解説! 尖閣への侵入を繰り返す中国・習近平が、いま考えていること

共産党の建党100周年に、何を思うか
池上 彰 プロフィール

一方、中国の海警法では、主権が侵害されたとみなせば武器の使用を認めているため、海上保安庁の巡視船や日本の漁船が対象となる可能性が出てきました。海警法で、わざわざ武器の使用を認めると明記するのは挑発的です。「いつでも武器を使うぞ」という脅しになります。

南シナ海の領有権をめぐって中国と対立するフィリピンとベトナムは「戦争を仕掛けるというのか」と猛反発しています。中国は現在、沖縄県石垣市に属する尖閣諸島の領有権も主張しています。台湾も尖閣諸島の領有権を主張していますが、中国は、台湾は中国のものだから、どっちにしても尖閣は中国のものという考え方です。

いま連日のように接続水域(領海の外側12海里の海域)や領海にまで入ってきています。長時間留まったり、漁をしている日本の漁船を追跡したりと、非常に挑発的です。

中国国防相は2021年3月1日、尖閣周辺への侵入を「今後も常態化していく」と強調しました。2020年11月12日、アメリカの次期大統領就任が確定したジョー・バイデンは、菅義偉首相との電話会談で「尖閣諸島は日米安全保障条約第5条(日米いずれかが攻撃を受けた場合、互いに防衛する)の適用対象だ」と明言しましたが、今後、緊張が高まることは避けられそうもありません。

アメリカのバイデン大統領[Photo by gettyimages]
 

“メンツ”を気にする中国の論理

21世紀に入り、アジアの盟主は日本から中国へと完全にシフトしました。中国の野望はアジアの覇者ではありません。アメリカを追い抜き、世界一の経済大国を狙っています。「一帯一路」とともに、活動範囲を地球規模で拡大しているのです。

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