熊谷正寿〔GMOインターネットグループ代表〕「iPadのワクワク感は'94年と同じ」

予測の達人・菅下清廣が連続直撃
セオリー
最新デバイスは発売後すぐに使って、実際にユーザビリティをチェック。取材は4月初旬の同社・役員フロアで行われた。前日米国で発売されたばかりのiPadをすでに入手済みで、その可能性を楽しくレクチャーしてくれた。自称「デバイスおたく」で、いつでもどこでもネットにアクセスできるよう、数種類のツールを常備

 でも、プロバイダ事業は、人数×単価の商売。いずれ限界がくるし、資本の勝負になると思いました。続けているうちに、このままではだめだと。

 実際には、プロバイダとして日本で初めて株式公開したのが当社なのですが、後に大胆な事業縮小を決断するわけです。

 そして、インターネットという、これからも発展していくであろうメインストリームの中で、インフラとして将来永遠に続いて、圧倒的なナンバーワンになれる次のビジネスを模索していたタイミングで、こんな体験をしています。

 創業当時、アメリカ人男性が当社の取締役でした。'97年に、彼と一緒にカリフォルニアワインを飲みにナパバレーに行った帰りに、シリコンバレーを視察したのです。そこで、情報をインターネットで配信するための、原始的なデータセンターを見せていただく機会を得ました。

 それは、倉庫を改造してつくったようなデータセンターで、木のテーブルの上にパソコンが置かれ、鉄条網が張り巡らされた枠で覆われている。そこで、『次にくるのは情報発信だ』と教えられた」

---その後、どのような行動に結びついていくのですか。

「なるほど、プロバイダはインターネットの住民を増やす仕事。これからはネットの住民に、役立つ情報を提供するサービスがどんどん増えていく。帰国後すぐに、事業展開をしている会社を調べてみましたが、べらぼうな金額で。

 レンタルサーバーは月額数十万円と高額なうえ、利用するには専門的な知識と英語力が必要なサービスが大半でした。また、ドメイン登録も、初期費用に数万円から数十万円もかかり、ドメインの維持という名目で月に数万円も請求する事業者がほとんど。

 僕は、Webサイトは将来1企業1サイト、1商品1サイト、あるいはひとり1サイトの時代がくることを、当時、本能的に確信していたので、やり方を考えれば勝てると感じた。

 そこで、『安価で簡単』をコンセプトとしたレンタルサーバーを自社で開発し、サービスをスタートします。価格を相場より劇的に下げ、ドメインについてはサーバーをご利用いただく場合には無料とし、誰にでも簡単に独自ドメインのサイトが持てるようにしたのです」