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円安より円高の方が日本株を高くする時代が始まろうとしている

消える円安の残像現象と日本経済の実像

どうみてもドル高円安の傾向続く

国際金融市場の重要な構成要素に「外国為替」がある。筆者の自著『通貨経済学入門(第2版)』(日本経済新聞社)でも説明したが、外国為替の相場(レート)を動かす要因には「金利」と「リスク」がある。特に最近のドル円為替相場の動きは、日米金利差の動きに沿ったものになっている。

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リーマンショック後、世界主要国の金融政策の柱はベースマネーそのものを拡大する量的金融緩和になったが、日本銀行は、すでに2001~06年に1回この手法を行っていた。その後、元財務官であった黒田東彦氏が2013年に日本銀行総裁に就任し、本格的に「量的・質的金融緩和」を始めた。

その後、いうなれば、限界まで金融緩和を行い、限界的な低金利を維持している。その後、世界に新型コロナウイルスがまん延し、しかも、日本のコロナ感染抑制は、まだこれからの状況であり、経済や社会が平時に戻るまで、限界的な低金利を解除する可能性はほとんどない。つまり、円金利は動きようがないわけである。

とするならば、現在のドル円為替相場は、基本的には米ドル金利が決めているといっても過言ではない。

今年の1月までは米国の中央銀行組織に当たるFRS(Federal Reserve System:連邦準備制度)はコロナの感染状況を見て金利の引き下げ余地を見てきた。

FRSは世界の中央銀行の中でも、その目標を物価の管理とともに雇用の最大化としている点で独特な存在である。

米国の物価(CPI:消費者物価指数)を見ると、インフレが進行し、一時的にせよ5%にも達し、雇用も回復している。この状況を勘案し、量的緩和の出口、すなわち金融緩和の縮小(テーパリング:Tapering)を開始しようとしている段階にある。

これまでの量的緩和の拡大、つまりは金融緩和政策からの大きな転換が始まろうとしている。具体的には今年中に開始される可能性もある。

 

このように米ドル金利が下落から上昇する方向に転換していく一方、日本円の金利は変わらず限界的に低く、日本銀行がその政策を転換できる可能性は低い。つまり、この「見込み」を先に取り込むとして、この状況が続くならば基本的にはドル高円安の流れが続く可能性が高い。

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