お父さん、お空でお雑煮食べてるよ

涙が止まらなくなった。お雑煮を食べながら、ぽろぽろ泣いた。大声を出して。
「美味しいね。今日のお雑煮、すっごく美味しいねえ。ぶーちゃにも食べさせたかった」

なんだかとっても無様な風景であっただろう。最近ではこんな姿はあまり子供の目の前ではさらしていなかったし。だがしかし、子供たちは冷静だった。力斗はとりたてて母の涙も気にならない様子で、もりもりご飯を食べている。そして太一が言った。

「お空で食べてるんじゃない? きっと」

負けた。今回は負けた。太一のほうがよっぽどしっかりしていた。頼もしくなった子供たちに励まされながら、涙をふきふきそれでもしっかりお雑煮をおかわりして食べた。空の夫の分まで――。

陽一さんと一緒に食事をする太一くん。横には当時1歳の力斗君の姿が 写真提供/杉山晴美
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高みを目指して走っていた夫

そう、夫はわたしをほめない人であった。いまどき流行らない超亭主関白であった。
家事は一切しない。一度椅子に腰かけたら最後、落ちたお箸も拾いたくない。じれったくなってわたしが拾ってしまう。立っていても、床に置いてあるカバンを取るためにかがむのを面倒がる。かがむ前に視線を落とし、じっとしている。反射的にわたしはそのカバンを拾い上げてしまう。その都度「う、またうまいことやられた!」とわたしはわめく。

夫は「主従関係なのだから仕方ない」と、当たり前の涼しい顔。万事そんな調子で約10年コンビを組んできた。そしてこの2002年1月18日が、満10年の結婚記念日であった。スイートテン、なんであなたはここにいないの? せっせせっせと世話させて、ホントにそれはないんじゃない? なんて言いながら、天をあおいでしまうけれど……。