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国民は従わせればいい? 国民感覚から遊離した「菅官僚内閣」

西村大臣「圧力」発言の「出所」

霞ヶ関の牢固な体質

「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」――。駆け出しの新聞記者の頃、大蔵省(現財務省)などを取材していると、そんな言葉を口にする幹部官僚がいた。

霞ヶ関中央官庁群  by Gettyimages

「論語」泰伯の言葉で、人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい、というのが本来の意味だそうだが、もっぱら当時の官僚たちは、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない、といった意味で使っていた。

選抜された優秀な我々官僚組織に任せておけば良いので、新聞記者なぞを通じて国民に主旨を説明する必要があるのか、というわけだ。

さすがに昨今、そんな言葉を口にする官僚はほとんど見かけない。だが、今でもそうした「体質」が霞が関に残っているのだということを今回は痛感させられた。

西村康稔・経済再生担当相が発した、酒の提供自粛に応じない店舗への「圧力」に2つのルートを使おうとした問題である。

2つのルートとは、酒の提供を続ける店舗と取引のある金融機関と、酒を卸している酒販店。従わない店舗の情報を金融機関に知らせ、その金融機関が店舗に改めて自粛するよう「要請」する、あるいは酒販店に連絡して販売を止めるよう「要請」するというものだった。

 

金融機関は当然、居酒屋などの店舗に貸付を行なっているわけで、それを背景に「要請」するということは、従わないなら困っても助けないぞ、という事になる。さすがに、独禁法が禁じる「優越的地位の濫用」に当たるのではないか、あまりにも上から目線だ、といった批判が巻き起こり、西村大臣はすぐさま撤回に追い込まれた。

それでも酒販店ルートは残っていたが、自民党内からも批判の声が上がり、これまた西村大臣が撤回を表明するに至っている。

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