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習近平の“自滅”が近づく…元共産党員が発表した、中国「内部崩壊」のシナリオ

かの国は、米国が思う以上に「脆弱」だ

「中国の脆弱さ」を指摘した論文

中国共産党中央党校の元教授で、米国在住の蔡霞(Cai Xia)氏が、中国から見た米中関係に関する論文を発表した。蔡氏は「米国が考えている以上に中国は脆弱」と指摘し、ジョー・バイデン政権に対中戦略の見直しを求めた。習近平体制の「新たな爆弾」になるのか。

フーバー研究所から発表された蔡霞氏の論文
 

蔡霞氏については、これまで日本でも度々、報じられているので、名前を覚えている読者も多いだろう。私は2月19日公開のコラム「習近平も青ざめる…中国共産党『内部崩壊』を指摘した“ヤバすぎる論文”の内容」の中で紹介した(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80395)。

同氏は2012年に退職するまで長年、共産党幹部を教育する中央党校の教職にあった(https://chinadigitaltimes.net/space/Cai_Xia)。「紅二代」と呼ばれる中国建国に関わった中国共産党幹部の子女で、党の表彰を受けたこともあるバリバリの党エリートである。だが、退職後は人権問題などで、習近平体制に批判的な立場に転じていた。

退職した2012年は奇しくも、習近平が権力を握った年でもある。昨年6月には、中国共産党を「政治的ゾンビ」、習近平総書記を「マフィアのボス」と酷評した蔡氏の講演内容がSNS上に出回った(https://chinadigitaltimes.net/2020/06/translation-former-party-professor-calls-ccp-a-political-zombie/)。

これをきっかけに、同年8月以降、英ガーディアンなど欧米メディアの取材に相次いで実名で登場し、公然と習体制を批判してきた(https://www.theguardian.com/world/2020/aug/21/china-cai-xia-former-party-insider-who-dared-criticise-xi-jinping)。中国共産党は同月、蔡氏が「国の名誉を傷つけた」として党籍を剥奪するとともに、年金など退職後の待遇取り消しを発表した。

「中国共産党の目から見た米中関係〜内部の視点から」と題した今回の論文は、米スタンフォード大学のフーバー研究所から6月29日に発表された(https://www.hoover.org/sites/default/files/research/docs/xia_chinausrelations_web-ready.pdf、論文の日付は中国共産党の結党100周年に当たる7月1日)。英語と中国語の両方で書かれており、英語版は全部で26ページだ。

中国共産党の創立党員だった毛沢東元国家主席[Photo by gettyimages]

内容は、世界の中国ウォッチャーが指摘してきた論点と重なる部分も多いが、なんといっても、中国共産党の内部にいた「正真正銘の専門家」が、習近平体制の根本的な矛盾と崩壊の可能性を指摘した点に大きな意義がある。

外からはうかがいしれない中国共産党の実情が暴露され、世界の対中強硬派が指摘してきた「中共の危険性と弱点が証明された」と言える。以下、必要に応じて補足を加えながら、主なポイントを紹介する。ただし、論文の構成とは順不同である。

 
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